——印刷会社の技術センターって、どんな仕事をするのですか?
朝日新聞は、全国に27ある工場で印刷されています。そのすべてで、同じ印刷品質が求められます。機械の調整だけでなく、紙やインキといった資材によっても仕上がりは変わってくるんです。朝日プリンテックの技術センターは、朝日新聞、資材の取引先、印刷工場の3者の仲介をする役目を負い、適切な資材の調達と品質管理を行っています。
——新聞の印刷って、昔に比べるときれいになりましたよね。今、どんな技術が使われているんですか。
昔の新聞の紙面を近くで見ると色の点々が集まっているように見えるでしょう。AMスクリーンという印刷方式はこの重なり合う網点の大きさを変えることで階調を表現しているのですが、朝日新聞は2006年からFMスクリーンという方式を導入しています。これは、もっと小さな点の密度で階調を表現する「高精細印刷」です。デジカメでいうと画素数が多いということになりますね。この方式にしたことで、モデルの肌の質感とか、服のシワとか、磨き上げられた車のボディーなども、新聞上でより細やかな再現ができるようになりました。
——細かい部分が表現できるんですね。それならどの新聞もそのFMスクリーンにすればいいのでは?
AMスクリーンにも良さがあるんです。インキが乗せやすく、図柄によってははAMのほうがきれいに映える場合もあるんです。滑らかな質感再現では、FMスクリーンが勝っていると思います。どちらを選ぶかは、各紙の判断ですね。