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お金と仕事

新聞紙だってきれいな色のほうがいい! 高精細印刷の世界へようこそ

朝日プリンテック 【信頼を刷る】シリーズ Vol.2 色へのこだわり編

PR by 朝日プリンテック

目次

毎日、ポストに届く新聞を製作する現場のこと、ご存じでしょうか。朝日新聞の印刷の多くを担っているのは、朝日プリンテックという印刷会社。印刷会社の仕事といっても、ただ輪転機が刷るだけでは?と思われがちですが、そこにはスムーズに新聞を届けるために、経験と忍耐力と瞬発力を発揮する人たち、それぞれの熱いストーリーがあります。朝日プリンテックの現場から、社員の方に登場していただき、印刷業界のドラマを語ってもらいました。(全3回シリーズ)
 
【お話を聞いた人】
技術センター
大澤祥太郎 さん
2005年入社。オペレーターとして印刷機の操作を担当した後、技術センターへ異動。印刷品質の管理に携わる。

車のボディーの光沢も再現。高精細印刷ってどういうもの?

——印刷会社の技術センターって、どんな仕事をするのですか?
 
朝日新聞は、全国に27ある工場で印刷されています。そのすべてで、同じ印刷品質が求められます。機械の調整だけでなく、紙やインキといった資材によっても仕上がりは変わってくるんです。朝日プリンテックの技術センターは、朝日新聞、資材の取引先、印刷工場の3者の仲介をする役目を負い、適切な資材の調達と品質管理を行っています。
 
——新聞の印刷って、昔に比べるときれいになりましたよね。今、どんな技術が使われているんですか。
 
昔の新聞の紙面を近くで見ると色の点々が集まっているように見えるでしょう。AMスクリーンという印刷方式はこの重なり合う網点の大きさを変えることで階調を表現しているのですが、朝日新聞は2006年からFMスクリーンという方式を導入しています。これは、もっと小さな点の密度で階調を表現する「高精細印刷」です。デジカメでいうと画素数が多いということになりますね。この方式にしたことで、モデルの肌の質感とか、服のシワとか、磨き上げられた車のボディーなども、新聞上でより細やかな再現ができるようになりました。

 
——細かい部分が表現できるんですね。それならどの新聞もそのFMスクリーンにすればいいのでは?
 
AMスクリーンにも良さがあるんです。インキが乗せやすく、図柄によってははAMのほうがきれいに映える場合もあるんです。滑らかな質感再現では、FMスクリーンが勝っていると思います。どちらを選ぶかは、各紙の判断ですね。 
 

コンテストでグランプリの栄誉、国際的に認められた美しさ

——新聞カラー印刷の品質へのこだわりが評価されて、国際的に認められたと聞きました。
 
国際新聞カラー品質クラブ(INCQC)の国際コンテストというのがあるんです。世界中の新聞印刷から、すぐれたカラーを表現したものが選ばれます。朝日プリンテックは品質向上のために選抜された工場がこのコンテストに挑戦し、上位を獲得していました。私は、2012年のこのコンテストに挑戦することになった工場に新米オペレーターとして勤めていたので、その時の現場のことをよく覚えています。
 
——どうやって海外のコンテストに挑戦するんですか?
 
この仕様でこの用紙で、という条件を設定して、刷られた成果物を航空便でヨーロッパに送り、向こうの審査員たちに美しさが認められなければならないんです。そのために機械の微妙な調整が必要で、いろいろなやり方を追究して、何度も試していました。通常の業務が終わった後に先輩たちがみんなで残って、真剣なディスカッションをするのをはたで見ていると、私には思いもつかないアイデアがポンポン出て……尊敬の眼差しで見ていましたね。
 
——機械におまかせ、というわけではないんですね。
 
機械の性能はありますが、最後は人の手が調整するんです。例えば、グレーの色って一番出しにくい。赤っぽくなったり、暗くなったり、揺れがちなんです。人の手で4色の加減を上げ下げして変えていくのですが、昔グレーで泥沼にはまったことがありました(笑)。そんな私から見ると、コンテストに燃えている先輩たちは、「絶対、最高品質の色を出してやる!」という気迫がすごかった。結果は見事、全ての項目で満点をとって、1位。その知らせがメールで来た時の、皆の満足そうな顔は忘れられません。
 

工場によるばらつきを最小限に。品質維持のため月2回の品評会

——新聞は刷られる工場によって品質に差が出るんですか?
 
技術は平準化し、工場によって品質のブレがあってはいけないので、技術センターでは、月2回、品質に関わる各部門の社員が集まって品評会を開催し、全国27の工場で刷られた同じ紙面を、濃度や色相、ムラ、ズレ、汚れなど複数の項目で評価しています。例えば同じものを刷った面を並べてみると、同じ赤でも色の出方が違うんです。その評価で各工場が競って品質を保つようになっています。
 
——それなら全国どこの朝日新聞もきれいに刷られているんですね、ほっとしました。
 
そうなんです、品評会で順位をつけるのですが、常時1位という工場はなく、工場によって得意・不得意な紙面があったりして順位は常に入れ替ります。一方で、コンテストなど特別なことがなくても、皆、きれいな色を出すことは当たり前だと思っているんです。誰にほめられるわけでもないですが、その誇りが、毎日のモチベーションになっていると思います。
 
——新聞を印刷することの、一番のだいご味はなんですか。
 
紙で新聞を読む人が減少傾向で、そのなかでもクライアントの要望を忠実に再現していかなければなりません。しかも、毎日の配達に間に合うように、トラブルを起こさないように、安全に機械を稼働させていく。それってなかなか大変なことなんです。でも、そこに価値がある。自分だったら難しいなと思った色をビシッと出してくる先輩を見ると、プロだなぁと思います。そういう、先人の方の誇りを受け継ぎ、今の時代に求められるものを提供していくところが、印刷の面白いところであり、やりがいですね。
 
朝日プリンテック 【信頼を刷る】シリーズ(全3回)
Vol.1 「工程管理」編 
Vol.3 「社内連携」編
 
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