ネットの話題
「学校の掃除」で使った〝あのほうき〟 経験が大集合…その理由は?
「使うときの音」「高学年しか…」「だいたい真ん中で割れて」
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「使うときの音」「高学年しか…」「だいたい真ん中で割れて」
「学校掃除の時、これだったの僕だけ…?」
学校の掃除の時間に使った人も多いほうきを紹介した投稿が話題になりました。92万回以上閲覧され、学生時代の掃除を思い出すコメントが多く付いています。そもそもこのほうきの名前、知っていますか?
「学校の掃除の時、これだったの僕だけ…?」
「かにかにパニック」さんが、Xでそう紹介したのは、ヘッドとジョイント部分が自在に動く作りのほうきです。
この投稿は92万回以上表示され、1万以上の「いいね」がついており、リプライ欄には学生時代の掃除の思い出をシェアするコメントがずらりと並びます。
「担任の先生専用だった」「使うときの音が好きだった」「高学年しか使えなかった」「みんな踏むからだいたい真ん中で割れている」など、自分の体験を語るアカウントが多くありました。
学校の掃除の時、これだったの僕だけ...?
— かにかにパニック (@kani_3DP) October 28, 2025
無性に使いたくなって探したら800円で買えてコスパ神だった pic.twitter.com/1Fm8gL0JXw
実はこのほうき、「自在ほうき」というのだそうです。
メーカーのひとつ「テラモト」のウェブページの説明によると、ほうきの種類には、自在ほうきのほか、座敷ほうき、土間ほうき、手ほうきなどがあり、自在ほうきはタイルなど土足の床の掃除に使われるものとのこと。
自在ほうきの毛の素材には、大きく3つの種類があるそう。コシが強く酸・アルカリへの抵抗性があるのは化学繊維、静電気が起こりにくいのは動物繊維、水周りでの使用に適しているのは植物繊維だといます。
自在ほうきは、長く使っている間に、毛先に綿ぼこりが絡まったり毛が左右に分かれてしまったりする「クセ」がつくことがあります。
綿ぼこりは「毛かき」でこまめに取り除くことが大切だそう。「クセ」がついたときには、温かいお湯で毛先を洗い、クセを直してから乾かすといいそうです。
「自在ほうき」をきっかけに、学校での掃除を思い出す人が多かったのはなぜでしょうか。
掃除方法を指導したり、講演で掃除文化を伝えたりしている「日本そうじ協会」に聞きました。
理事長の今村暁さんは、自在ぼうきの長さ・大きさに着目。「柄が長く、はく部分の幅も広いので、床面積の狭い家の掃除には向いていないかもしれません。逆に、学校や職場など、床面積の広い場所の掃除を効率的に進めることができます。だから、学校で見かけた経験のある人が多いのだろう」と推察します。
一方、今村さんは、「自在ほうきに限りませんが」とした上で、家庭でほうきを使うメリットをこう話します。
「まず、掃除機のように電気を使わない。ほこりなどのゴミを目で確認しながら集める楽しさを感じる人もいるでしょう。あとはなにより安いですよね」
今回の投稿で、学校での掃除活動を思い出した人は多かったものの、教職員の人手不足などを背景に、学校の掃除活動を外部業者に任せる動きもあります。
一方で、海外の学校の中には日本をモデルに掃除の時間を採り入れるところもあるそうです。
今村さんは、掃除の指導へ行った工場での経験を振り返ってくれました。
そこでは、様々な国から働き手がやってきていました。
日本人の従業員が、外国籍の従業員に机の掃除をお願いすると、机の上にあったものを床に置き、それで掃除が完了したと伝えてきたといいます。ぞうきんの絞り方も日本での方法とは違い、水をたくさん含んだ状態で掃除が始まったこともあったそうです。
今村さんは「掃除」は共通の文化ではないことに気づかされたと振り返ります。「でも、知らなかっただけで、やり方を伝えたら理解してくれますし、掃除プロジェクトのリーダーになってもらうと、誰よりもきっちりとやってくれるんです」と話します。
その上で、「自在ほうきひとつで、その当時の思い出やノウハウも思い出せるというのはすごいことですね」としみじみと話していました。
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