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ネットの話題

深夜の授乳「ひとりじゃない」 リアルタイムで人数や気持ちが分かる

ユーザーの声に応えたアプリがあります

アプリの画面に授乳している人の数やコメントが表示されています
アプリの画面に授乳している人の数やコメントが表示されています

目次

深夜、赤ちゃんの泣き声で目が覚め、睡魔と戦いながら授乳する。その時間は、孤独との戦いでもあります。そんな時にリアルタイムで授乳しているママの人数やコメントを見ることができるアプリが、「心強い」「ありがたい」とSNSで話題になりました。アプリの企画担当者は「つながりを求めたり、つぶやいて気持ちを発散したりしていらっしゃるようです」と話します。

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いま授乳中の人の数がわかる

「当時あったらうれしかったな」。9月中旬、赤ちゃんのお世話を記録するアプリ「授乳ノート」の〝ある機能〟がSNSで話題になりました。

子育て経験のあるユーザーを中心に、「これほしかった」「夜中に見たらしみわたる」と共感が広がり、23万回以上表示されています。

注目を集めたのは、リアルタイムで授乳している人の数が分かる機能です。「授乳をしている人1014人」などと表示され、授乳中の人がつぶやいたコメントも出てきます。

アプリ「授乳ノート」のアイコン画像(中央)
アプリ「授乳ノート」のアイコン画像(中央) 出典: 東京都港区のカラダノート

「世界に自分たちしかいないような気持ちに」

赤ちゃんへの授乳は、月齢が低いときは多くて1日に10回程度必要で、昼夜関係なく2、3時間おきに対応しなければいけません。特に夜中は同居する家族を気遣って授乳する人もいて、気持ちのやり場がないケースもあります。

生後2カ月の長女を育て、1日に7、8回授乳する30代の女性は、「夜間テレビの明るさで赤ちゃんを刺激したくないため、なるべく暗い状態でミルクをあげていることもあって気持ちまで暗くなることがあります」と話します。

夜間の授乳は2、3回。うす暗い部屋で赤ちゃんと2人きりで過ごしていると、「世界に自分たちしかいないような気持ち」になってしまうそうです。

「娘は飲むことがあまり上手ではなく、1回に40分はかかるのでとても長く感じます。夫も上の子も寝ていて、『赤ちゃんが泣いてしまうと起こしてしまうかも……』という気持ちもあり、焦りや心細さに涙が出たこともありました」

女性はSNSで話題になった「授乳ノート」を使ったことがあるといい、「アプリを開くと、たくさんのママが夜中に授乳をしていることがわかって『自分だけじゃない』ととても心強いです」と話します。「2時や4時でも時には1000人以上になっていることがありました」

授乳のタイミングだけではなく、赤ちゃんがぐずって寝ないときや、寝かしつけのため抱っこでゆらゆらしているときにもアプリに表示される人数を見ることがあるそうです。

「コメント欄には、ほかのママからの『ひとりじゃないよ』『一緒に頑張ろう』という励ましや、『小腹がすいた』『お菓子食べちゃった』といったちょっとおもしろいものもあり、それを見るのも楽しみです。同じ時間に頑張っているママがたくさんいることに力をもらえますし、私も頑張ろうという前向きな気持ちになれます」

「授乳ノート」の画面
「授乳ノート」の画面

記録ツールとしてだけでなく

赤ちゃんのお世話を記録するアプリ「授乳ノート」は、妊娠出産育児に関するメディアやアプリを企画開発するカラダノート(東京都港区)が2014年から提供しています。

2024年4月から授乳人数が表示されるようになり、2025年9月にコメントの投稿・表示が始まりました。

ユーザーの中心は、1歳未満の赤ちゃんを育てる30歳前後のママとパパです。授乳ノートの企画運営を担当する森田亜海さん(34)は、「ユーザーインタビューやアンケートで、特に夜間の授乳が孤独で不安になってしまうという意見が寄せられたことがきっかけで、人数やコメントを表示するようになりました」と話します。

授乳ノートの企画運営を担当する森田亜海さん
授乳ノートの企画運営を担当する森田亜海さん 出典: 東京都港区のカラダノート

コメント投稿は20文字以内。返信して交流することはできませんが、森田さんは「SNSにつぶやき続けるのは申し訳ないから授乳ノートでつぶやくという方もいました。つながりを求めたり、つぶやきで気持ちを発散したりしていらっしゃるようです」と話します。

リアルタイム感にもこだわったという森田さん。コメントは同じタイミングで授乳している人の投稿が20秒ごとに変わる仕組みです。

「授乳のたびに眠気」「泣き声で起きたけど笑顔で癒やされる」「パパもがんばってます」といった声があるといいます。一方、不適切なコメントは表示されないようにモデレーターがスクリーニングしているそうです。

森田さん自身も4歳と2歳の姉弟を育てていますが、夜間の授乳では家族を起こさないように気を遣っていたといいます。「気を紛らわせるようにひたすらスマホを見ていました」

森田さんは、「サービスを出してみるまではどのような反応があるか不安もありましたが、この機能があるから授乳ノートを選んだという声もいただきます。育児記録だけではなく、子育てをする仲間が励まし合うプラスアルファの位置づけとして浸透していくとうれしいです」と話しています。

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