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1級建築士のピン芸人えぐろさん「建築女子あるある」ネタでブレーク

芸歴1年、やす子さんに憧れ…

1級建築士の資格を持つピン芸人のえぐろさん=筆者撮影
1級建築士の資格を持つピン芸人のえぐろさん=筆者撮影

芸歴わずか1年で、若手の登竜門「ぐるナイ年越し おもしろ荘」で話題を呼んだピン芸人のえぐろさん。実は、1級建築士でもあります。大手ゼネコンで3年間働いたあと、同世代芸人の活躍に背中を押され、芸人への夢をスタートさせました。現在は一般の建築会社で現場監督として働きながら、「建築女子あるある」ネタで笑いを届ける二刀流生活を送っています。(ライター・安倍季実子)

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えぐろ:埼玉県出身。ソニー・ミュージックアーティスツ所属。一級建築士の資格を持つ現役の建設現場監督でありながら、芸人としても活動中。芸歴1年目にして2025年「ぐるナイ おもしろ荘」に出演し、〝建築女子あるある〟ネタで注目を集めた

同世代芸人の活躍に刺激を受けて…

日テレの番組「ぐるナイ年越し おもしろ荘」の2025年に売れそうな芸人が登場する企画で、強烈な印象を残したのが、1級建築士の資格を持つえぐろさんです。

芸歴わずか1年で、「建築女子あるある」ネタで会場を沸かせました。

えぐろさん=ソニー・ミュージックアーティスツ提供
えぐろさん=ソニー・ミュージックアーティスツ提供

えぐろさんは、小さな頃から将来の夢がふたつあり、ひとつは漫才師、もう一つは建築士だったと話します。

「小学校中学年の頃、家族旅行で訪れた大阪のなんばグランド花月で中川家さんの漫才を間近で見て、『芸人さんってすごい!』と感動したんです」

一方で、小さい頃から工作が大好きでした。芸人になるよりも建築士の方が現実的だと思ったため、建築学科のある大学に進学しました。

大学卒業後は、念願の大手ゼネコンに就職しました。最初に配属されたのは現場監督だったそう。

約3年間働きましたが、その間もお笑いへの想いは強くなる一方でした。

1級建築士の試験勉強をしながら「ノートに芸人になるメリットデメリットを書き出したりしていた」と笑います。

笑顔でハキハキと取材に答えてくれたえぐろさん=筆者撮影
笑顔でハキハキと取材に答えてくれたえぐろさん=筆者撮影

「会社を辞めるデメリットはお金に関することだけで、やりたい仕事が毎日楽しくできるとか、メリットは色々出てきたんです。芸人になったら、はじめは不安も多いだろうけど、将来的に自分のやりたいことでちゃんと生活できたら、それが一番の幸せなんじゃないかと思うようになりました」

そんなえぐろさんの背中を押したのは、テレビで活躍する同世代の芸人たちでした。

「同い年のやす子さんがテレビで活躍してるのを見て、『私もやっぱり芸人やりたい』と思ったんです」

もともと一級建築士の試験に合格してから芸人になる予定でしたが、合格発表を待たずに、やす子さんも所属するソニー・ミュージックアーティスツの芸人募集に応募し、先にこちらに合格しました。

ネタでも使用している安全帯。持ち手の赤がハートマークにピッタリ=筆者撮影
ネタでも使用している安全帯。持ち手の赤がハートマークにピッタリ=筆者撮影

芸人になると伝えたとき、上司は驚いたそうですが、引き止めはありませんでした。

「家族からの反対もなかったです。進路や就職も含めて、それまで色々とやりたいことを自由にやってきたので、親も『今さら反対しても聞かないだろう』と思っていたみたいです(笑)。それに、大学時代の夏休みに内緒で海外へ行って、すごく心配をかけてしまったときに、『止めないから、何をするのか全部話して』と言われたので、会社を辞めて芸人になることも素直に話しました」

そうして夢に向かって一歩を踏み出しました。

現場仕事からライブ、気持ちが自然と切り替わる

現在、えぐろさんは一般の建築会社で週4日働いています。勤務時間は朝8時から17時まで。

芸人活動への理解もあり、ライブがある日は16時に早退させてもらうこともあります。ライブがない日は、仕事が終わってからネタ作りをしているそうです。

えぐろさんは「現場仕事はけっこう疲れるんですが、ライブがある日は自然と気持ちが切り替わるんです」と話します。

仕事でヘトヘトになった日でも、仲間と舞台に立つことで元気が出て、ライブ後には達成感で一日を終えられるそうです。

「ライブがあると思うと、それだけで仕事を頑張れます。芸人仲間に会えるのもいい息抜きで、心の支えになっています」と話すえぐろさん=筆者撮影
「ライブがあると思うと、それだけで仕事を頑張れます。芸人仲間に会えるのもいい息抜きで、心の支えになっています」と話すえぐろさん=筆者撮影

大手ゼネコンの大規模プロジェクトで、何十人もいる現場監督の一人として働いていた時は、コンクリートを枠のなかに流し込む「打設」の管理を担当していました。

「本当に一日中コンクリートを打っていました。配合を間違えると全てやり直しになるので、毎日気が抜けなかったですね。現場が終わったらすぐに『どこにポンプ車を置くか』『ミキサー車を何台、何分おきに呼ぶか』など明日のスケジュールの最終確認をして、翌日はその通りに施工する感じでした」

現在は、小規模な工事の設計から施工まで幅広く担当しています。

「一軒家のリフォームや小学校の改修工事など、さまざまな現場に関わっていて、仕事の幅が広がりました。たまに施工主に工事内容の説明をすることもあります。現場で職人さんから教わることも多く、本当に毎日新しい発見があります」

設計から施工までの全工程に携われるため、やりがいを感じているそうです。

えぐろさんの仕事道具=筆者撮影
えぐろさんの仕事道具=筆者撮影

夢に向かって、建築も芸人も全力で

えぐろさんの日々の建築現場での経験は、「建築女子あるある」ネタにそのまま活かされています。

「建築の仕事を続けているおかげで、新しいネタが思い浮かびます。ライブで専門的な質問をされたときにも答えられるので、とても助かっています」と語ります。

現場仕事では疲れもあり、芸人活動では日々緊張しているそうですが、えぐろさんは「まだどちらも修行中だからこそ、手を抜かずに向き合いたい」と続けます。

しかし、両立はなかなか難しいもの。「お笑いにもっと時間を割きたいんですが、建築現場の仕事が結構忙しくて、そこがもどかしいですね……」とえぐろさん。ネタ作りだけでなく、YouTubeでの発信にも力を入れたいものの、時間が足りません。

「だからといって建築の仕事を辞めたらネタが作れなくなるんで……。今のうちにしっかり経験を積んで、知識やエピソードをたくさん集めようと思っています」

夏は熱中症対策のため、空調服を着ながら作業場へ向かう=本人提供
夏は熱中症対策のため、空調服を着ながら作業場へ向かう=本人提供

仕事に芸人活動に、ガムシャラに頑張るえぐろさんには、いつか叶えたい夢があります。

「子どもの頃から大好きな『世界の果てまでイッテQ!』に出演したいです。憧れの『あばれる君』さんのように、ロケで色々なことに体当たりして、見ている人を元気にしたいんです。それから今年は、『The W』に出ることも目標のひとつです」

ちょっと照れながら、こんな目標も話してくれました。

「中島健人さんに会いたいです。芸人になるときのメリットの上位にも書いたので、いつか共演したいですね」

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