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「愛犬のおかげ」世界からも愛される「コーギー」 諦めかけた〝絵〟

インスタグラムのフォロワーは19万人を超えます

イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=本人提供
イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=本人提供

目次

丸くて愛らしいコーギーたちが、キャンプをしたり、楽器を演奏したり。インスタグラムのフォロワーが19万人を超えるイラストレーター・たきむらりゅうさん(@1corgi_dogs)は、10年前からまるで人間のように生活するコーギーを描いています。海外の人にも人気で、ゆくゆくは「コーギーのフリー素材集を作りたい」と話します。

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愛犬「くう」がモデル

たきむらさんがコーギーを描き始めたのは、2014年4月。コーギーのイラストを毎日ブログにアップする「いちにち いちコギ」を始めました。

モデルは、飼っていたオスのウェルシュ・コーギー「くう」です。

2010年にくうを迎え入れた、たきむらさん。初めて抱っこしたとき、かみ付いてじゃれてくる〝やんちゃさ〟があり、「ただただ、かわいい」と感じたそうです。

当時は漫画家として活動していましたが、たまたま連載が終わったタイミングだったため「生活の幅を広げるのにいいかも」と考えたといいます。

くうが家族になった日、偶然にも猫をテーマにした漫画の依頼が入りました。それまで動物の漫画を描いたことはありませんでしたが、その後も犬の漫画を描く機会に恵まれました。

しかし、画風は現在とはまったく異なり、「リアル」なものでした。読者から「デフォルメしたかわいい犬がいい」という声が届き、「それなら、とことんデフォルメした犬を描きたい」と思ったそうです。

たきむらさん自身も、「もう少しかわいく描けたはず」と感じていたといいます。

イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供
イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供

海外のフォロワーも

「短い足やおしりのかわいさを出せるキャラクターを描きたい。その上で、キャラクターが人間と同じような生活をしている〝違和感〟がおもしろくて、『クスっと笑ってもらえる』ような作品にしたい」

漫画の仕事が落ち着いた2014年、趣味で始めたのが「いちにち いちコギ」でした。

くうの日々しぐさや特徴を観察して感じていた魅力を、イラストに込めました。

ブログのフォロワーは徐々に増加。「LINEスタンプをつくってほしい」というリクエストも届くようになりました。

イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供
イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供

2019年にはインスタグラムも開設し、「絵のかわいさと動きのおもしろさを追求したい」とアニメーション作品も手掛けるようになりました。

コーギーがキャンプやフィットネスを楽しむシリーズを公開すると、アメリカや台湾、韓国など海外に住んでいるとみられるフォロワーも増えていったそうです。

「世界共通で楽しんでもらいたい」と、投稿も英語で発信するようにもなりました。語学は得意ではありませんでしたが、英語のDMもひとつひとつ翻訳して返信しています。

イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供
イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供

一度は諦めかけた〝絵の道〟

2022年には、コーギーのイラストをまとめた『いちにちいちコギ』(フロンティアワークス)を出版しました。

漫画の場合は、1本の映画を描くイメージで初めにストーリーを考えていましたが、コーギーのイラストでは「キャラクターそのものの魅力を出すことに専念している」といいます。

世界を広げてくれた「くう」は、2023年8月に永い眠りにつきました。

「くう」に出会う前は絵の道を諦めかけたこともあった、たきむらさん。「くうがいなかったらコーギーを描いていなかった」と話します。

「漫画を続けていくことは難しいと思っていたので、別の仕事を始め、別の人生を歩んでいたかもしれない。くうには本当に感謝しかありません」

イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供
イラストレーター・たきむらりゅうさんが描くコーギー=たきむらりゅうさん提供

コーギーをテーマに、まだまだ描きたいイベントはたくさんあります。胸に秘めている野望は、「フリー素材集のコーギー版」です。

「『コーギーのこんな姿はないかな』と思って探すとそのイラストが見つかるようなサイトを作れたら。何年かかるか分かりませんが、取り組めたらいいなと思います」

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