連載
#98 夜廻り猫
夜泣きでつらい友人へ「赤ちゃん預かろうか」と申し出たら…夜廻り猫
出産した友人と久しぶりに会ったら、赤ちゃんの夜泣きで疲れていて――。「ハガネの女」「カンナさーん!」などで知られる漫画家の深谷かほるさんが、SNSで発表してきた「夜廻り猫」。今回は、〝友達との関係〟にまつわるエピソードです。
きょうも夜の街を回っていた猫の遠藤平蔵。女性の涙の匂いに気づき、理由を尋ねました。
子どもを産んだ女性と久しぶりに会えた女性。赤ちゃんの夜泣きで疲れ果てている友人を見て、気軽に「ベビーシッターしようか?」と持ちかけました。
「半日でも一日でも赤ちゃん預かるよ。寝るんでもいいし、やりたいことすれば?」
すると友人は「ムリだよ」「事故でもあったら取り返しつかないでしょ」と返答してきたのでした。
女性はしばらく考えてから、自分が失礼なことを言ったと気づき、「親切なこと言ってあげた気になってた」「許してもらえるかな」と悩みます。
遠藤は「おまいさんも許してやれるかい?好意をむげに断った友達を」と尋ねます。
女性は「私が!?もちろん!好きだもん」とすぐに応じます。
友人もその頃、女性にメッセージを送ろうかどうか、打っては消し、打っては消し、思案しているところなのでした。
作者の深谷かほるさんは、「好意で言ったはずが失言だった…という失敗、ありませんか?私はよくあります」と語ります。
「後で考えて、自分の理解が足りなかったとか、言葉選びを間違えたとか思うわけですが、何年も考えてやっとわかることもあります。そうして、『相手の怒りもわかるけれど、自分には難し過ぎたな』と自分のことを許せる気持ちになったりもします」といいます。
「言葉は本当に功罪が大きい。うまくいかないことがあっても、なんとかなりますように」とエールを送っています。
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