連載
#137 #小山コータローの4コマ劇場
部長もほっこりしたのに…定時で帰る山下くん「コレと一緒にメシ」
予想外
「見立てた」思い出、あります。
幼い頃、僕はいわゆる鍵っ子でした。家に帰っても誰もいない日々…ランドセルからゴム紐で鍵をぶらさげ、アパートのドアをあけ、真っ暗な部屋の電気をつけると「囲碁教室にいけ」という無数の張り紙がある日もありました(当時囲碁教室に通わされていたがサボっていたので)。
しかし、そうなると鍛えられるのは1人遊びです。姉もいましたが、姉は姉で友達付き合いがあるわけです。
一時期ハマっていたのは、ウサギとチンパンジーのぬいぐるみを敵に見立てて格闘することです。
うさぎの腕をとって腕ひしぎを決めたり、チンパンジーの足を4の字固めしたり、時には逆に技を決められたりしていました。
しかし相手はぬいぐるみです。こちらも興奮して、次第に一方的になります…そこで冷静になった瞬間が1番怖いのです。
「もしかして、このぬいぐるみには意思があって、あとで復讐されるのでは?」
毎回思うんです。
そして毎回言うんです。
「…ごめんね?ごめんね?」
僕自身がゾッとしながらやってましたが、監視カメラがあったら親はもっとゾッとしてたでしょうね。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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