連載
#128 #小山コータローの4コマ劇場
「ヤラれた!」誘拐犯のひとり相撲? 次々に暴かれる〝真相〟に衝撃
どうしますボス…!
「はめられた!」と思った事…あれは僕がまだ小学6年生の頃、ちょうど首が座ってから12年が過ぎようとしていた日のことです。
6年生になるとすぐにそのイベントはやってきました。
「今日はこのクラスの学級委員長を決めます。まず立候補したい人はいますか?」
そう先生が聞いても、生徒たちの手はピクリとも動きません。テーブルマジシャンだったら、ギャラは貰えないと思います。
そんな中、先生は次なる一手として「じゃあ、推薦したい人はいますか?」と、非常に危険な策に打って出ました。僕は「先生はこのクラスを内側からぶっ壊す気だ!小泉内閣と同じやり方だ!」と思いましたが、そんな僕の思いもなんのその、みんなが信頼をおく人の名前が数名あがっていきました。
僕はそれまで企業スパイよろしく、一切目立つことなく生きてきたので、もちろん推薦されることもなく推薦の時間は終了…そして黒板に書かれた数名の中から投票で選ぶことに。
全員が小さな紙に名前を書き、先生に渡していきました。
「さあ開票だ!早くしろ!足が速い男と字が上手い女が選ばれるんだろ!」
僕は心の中でヤジを飛ばしながら開票を待っていると、信じられない光景が目に飛び込みました。
「えー、男子最多表は小山!」
そう、僕は推薦されてないのになぜか学級委員長になってしまったのだ。僕はハメられたのです!もしくは母が内申点欲しさに、学級委員投票システムをハッキングして数字をいじったかのどちらかです!
これは僕の予想ですが、推薦された男子の一人が足が速いヤンチャなタイプの男だったので、民意を操作して「大人しいあいつにやらせようぜ」と組織票を僕に注ぎ込んだのだと思います。
僕は絶望し、めちゃくちゃ泣いてしまいました。
でも1番かわいそうなのは、そんな僕と組むことになった女子のMさんだとうすうす気づいてはいましたが、僕の中の小泉元首相が「大丈夫大丈夫!1番辛いのはお前!痛みに耐えてよく頑張った!」と支えてくれました。
ありがとう小泉元首相。
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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