連載
#124 #小山コータローの4コマ劇場
これはホラーか? 「ネコちゃ…」話しかけた先のあれもこれも…
ってことがあったの!
間違えられたこと、ありますね。
若い時ですけど、当時ゴルフの石川遼くんが一世風靡していた時でした。僕は仕事の付き合いでとあるホテルで行われるモノマネディナーショーを見に行くことになりました(今考えればどんな付き合いなのか)
そこで、同じテーブルの隣の席にはとても高貴なお婆さまがおりました。
僕が座ると、そのお婆さまが僕をチラチラと見てくるのです。
「(森の奥でディナーショーに育てられたから、人間を初めて見るのかも!)」
などと思いながらその目線を気にしないようにしていましたが、ついにそのお婆さまが僕に話しかけてきたのです。
「あなた、石川遼くんよね?」
なんと、ハニカミ王子に間違えられたのです。たしかに苦笑いくらいはしていたかもしれません。そう考えれば間違えても仕方がないのです。
しかし全然違う上に、僕の方が先に生まれてるはずなので正しくは「石川遼くんが僕に似ているんですよ」と民間人の意地を見せてやろうかと思いましたが、とりあえず「違いますよ」と言いました。するとお婆さまはこう言ったのです。
「あら、そうよねごめんなさい。ホクロの位置がちょっと違うものね」
これはもう双子の見分け方です。ホクロの位置どころか、双子にしては収入がだいぶ違います。
そこまで確信を持って石川遼くんだったなんて僕はおどろきましたが、小学3年生の時に比べればずいぶんいいなと思いました。
小学3年生の時、朝ボーッと立ち尽くしていたところ、知らない上級生に「…お前アライグマに似てんな!」と恫喝されたことがあるからです。
やっと人間に似てきたんだと、僕は少し嬉しくなりました(ニカッ)
<こやま・こーたろー>
漫画家。「違和感」を作風とし、漫画家のSNS「コミチ」やTwitterで毎日4コマ漫画を発信中。前後関係を無視したセリフや、突拍子もない理不尽な展開が得意。初の書籍「デリシャス・サンド・ウィッチーズ」(扶桑社)発売中。Twitterアカウントは@MG_kotaro。
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