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マンガ

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「プリン発明した人だって…」人事評価の悩み吹き飛ぶシュールな漫画

仕事の悩みと向き合う、全ての人々に捧げたい

プリンの意外な活用法が、人気を呼んだ漫画です
プリンの意外な活用法が、人気を呼んだ漫画です 出典: 赤夏さんのツイッター(@akasasimi)

目次

自分の仕事が、なぜか評価されない……。多くの人々が直面してきたであろう、永遠の悩みかもしれません。そんな課題と向き合ったとき、ふっと心を軽くしてくれる、意外な言葉が登場する漫画があります。「シュールなのに癒やされる」。ツイッター上で評判を呼んだ、不思議な物語を生み出した作者に話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)

悩む友人に降りかかる意外な一言

9月26日、「偉大なひと」と名付けられた2ページの漫画がツイートされました。

登場するのは2人のキャラクターです。互いに仲が良く、ビールを飲みながら食事をとっています。

「また仕事で何かあったの」「……うん……まあ……」。机に突っ伏す友人に、黒髪の人物が声をかけます。どうやら、職場で業績を正しく評価されず、落ち込んでいるようです。

「わかっててもしんどいっていうか……自分だけが……って思っちゃう」。そんな一言を聞き、黒髪の人物はデザートのプリンをほおばりつつ、こう語りかけました。

漫画「偉大なひと」
漫画「偉大なひと」 出典:赤夏さんのツイッター(@akasasimi)

「プリンを発明した人も、ノーベル賞をもらってないんだよ」

思わず顔を上げ、ハッとする友人。頭の中で、同じフレーズを繰り返す場面で、幕が下ります。

出典:赤夏さんのツイッター(@akasasimi)

細かく描き込まれた絵柄と対照的な、シュールすぎる展開。意外な組み合わせが、何とも言えない雰囲気を醸し出します。読者からは「全部門のノーベル賞をあげたい」「今の自分に沁(し)みた」といった感想が上がり、8日時点で「いいね」の数も3万を超えました。

ちょっと雑な言葉が、時には救いに

作者は大阪府在住の漫画家・赤夏さん(@akasasimi)です。代表作に短編集『山の彼方の君の学校』『クツナシ姫』(いずれも一迅社)があります。

今回の作品で、重要な役割を果たすプリン。赤夏さんにとっては、おやつとして口にするたび「こんなにおいしいものを作ってくれてありがとう」と、「発明者」に感謝を捧げるほどの大好物なのだそうです。

「ある日の夜中、『こんなに素晴らしいお菓子なのに、生み出した人はノーベル賞をもらっていないんだよな……』と、ふと思い至りました」

「そもそもプリンを発案しても、授与の対象になりません。一方で、プリンは素晴らしい働き、ノーベル賞は大きな功績の評価にたとえられる、と感じたんです。読み手が悩みを吹っ切って、気分を切り替える機会をつくるような漫画の題材になる、と思いました」

友人同士が飲んでいるシチュエーションを選んだのは、2人の関係性を読者が想像しやすいと考えたから。気の置けない間柄であればこそ、その場で思いついたかのような、くだんのセリフが響く、という計算も念頭にあったといいます。

「深刻な悩みを抱えているとき、『ちょっと雑だな』とも受け取れる相手の言葉によって、視界が開けたり、目の前が明るくなったりすることがあります。もちろん場合にもよりますが、そんな瞬間を切り取りたかったんです」

出典:赤夏さんのツイッター(@akasasimi)

「魂のおやつ」みたいにつまんでほしい

かくいう赤夏さん自身、仕事ぶりが周囲から思うように認められず、落胆する場面が少なくありません。そんなときは、友人に話を聞いてもらい、作品にあるようなやりとりをしているとのこと。素っ頓狂で、ざっくりとした返答に、かえって励まされてきたと語ります。

「『プリンを発明した人でさえノーベル賞をもらっていない。自分が、まだ正しく評価されないのも仕方ない!』。これまでの経験も踏まえ、読者にそう思ってほしいという気持ちから、今回の作品を描きました」

「『自分が至らないせいだ』と感じることなく、気を楽にしてもらい、また新たな挑戦につなげてくれたなら、とてもうれしいですね」

読み手の中には、「ポテトチップス」「エアコン」など、それぞれが意義や価値を感じる存在に思いをはせる人も。赤夏さんは「意図した効果ではない」としつつ、漫画が「表彰はされないけれど、身近にある偉大なものに目を向けるきっかけとなった」と分析します。

そして、作品に興味を持った人々に対しては、次のように話しました。

「読んだ人が少し希望を持てたらいいな、と考えて、いつも漫画を手がけています。『魂のおやつ』のような感覚で、つまんで頂ければ幸いです」

出典:赤夏さんのツイッター(@akasasimi)
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