連載
#49 コミチ漫画コラボ
チョコに涙、子どもの「おまじない」にゾッ…漫画で描く「鳥肌」体験
無邪気さが「鳥肌」を増幅させる……
いくら注意していても、幼い子どもたちは予想できない動きをするものです。作者のひとりさんは、3歳の娘を保育園に送り届けたのですが、別れ際の出来事から血の気も引くような思いをします。よく聞く「子どもから目を離さないで」という言葉が、いかに現実では難しいかということを思い知らされます。
一方で、ひとりさんが伝えるのは「保育士さんのすごさ」です。当たり前のように子どもたちを預かってくれていますが、常にたくさんの危険を察知し対応してくれているのです。改めて、子どもたちを守っている保護者の方や保育士さんたちに敬意を表したいです。(選評:野口みな子)
おまじないは、ときに冷静さを失わせます。未熟な時期はなおさらです。
一コマ目、小学生のとき私もチョコレート作ったなぁ。(共感)
二コマ目、え…? 何してる…?(混乱)
三コマ目、まさにそう思った!(同期)
四コマ目、ヒィィィィィィ…知らないよ!(失笑)
少ないコマで感情の乱高下。無邪気な感じが鳥肌を増幅させました。チョコレートはしっかり意中の相手に渡したのですね。知らぬが仏と言いますが、ぜひ同窓会で暴露してほしいものです。(選評:河原夏季)
違法薬物らしきものを使用した同じマンションの住人と遭遇するという、そうめったには起こらない出来事を描いた作品。目の据わった表情や「沢ガニ来てない?」という支離滅裂な発言から、「何が起こるかわからない」恐怖が伝わってきます。(ちなみに、その住人の家には後に捜査が入ります)
頭が真っ白になる瞬間やあまりの恐ろしさで動機が激しくなるところなど、まるで追体験しているような緊張感がありました。「素数を数えて落ちつくんだ」といいつつも、数えれていないところも好きです。(選評:野口みな子)
新型コロナウイルスの自粛生活の中で、近所のとんかつ屋さんや天ぷら屋さんが、サイズがちょっと合わない容器のお弁当を売っているのを目にするようになり、お昼ご飯への意識が変わりました。値段とか抜きに、この困難な状況を一緒に乗り越えようという気持ちにさせてくれたのです。
ウイルス禍で気付かされたことを、るかぽんさんは日常の場面を通して教えてくれます。お金って何のために払うのか。「そもそも」の視点を見失わないでいたいと思わせる作品でした。(選評:奥山晶二郎)
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