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選んだのは「島民50人」との暮らし 25歳の青年が教えてくれたこと

有村架純さんのファンで、好物はラーメン。25歳の宗秀明さんは、一見、普通の若者です。ちょっと違うのは、住んでいるのが人口が約50人しかいない島ということ。海士(あま)として働きながら、島での暮らしを続けるため知恵を絞る秀明さん。信号もない、警官もいない。そんな島のリアルな生活を聞きました。

宗秀明さん
宗秀明さん

目次

「島で暮らしていくことが夢でした」

定期船から見える松島(通称:ひょうたん島)
定期船から見える松島(通称:ひょうたん島) 出典: 撮影:山本哲也

佐賀県唐津市鎮西町に人口約50人の島があります。その島の名は「松島」。ひょうたんのような形をした島です。

1日3往復の定期船で呼子港から15分ほどで行き来できます。主な産業は漁業。隠れキリシタンが移り住んだことが始まりといわれ、港の脇には小さな教会があり、定期的に神父さんがやってきてミサを行います。

「小さい頃から島で暮らしていくことが夢でした」

島の若者の一人で、サザエやアワビを素潜りで採る海士(あま)として働く宗秀明さん(25)は迷いなく答えます。現在、朝日新聞の運営するクラウドファンディング「A-port」で「グランピング」と呼ばれる、手ぶらでキャンプができる施設を島に作るための資金を募っています。

宗秀明さん自作のクラウドファンディング動画

好物はラーメン、有村架純さんのファン

アワビを手に取る宗秀明さん
アワビを手に取る宗秀明さん 出典: 撮影:山本哲也

秀明さんは、小さいころから同じ海士として働く父親に憧れていました。でも、「島の外の生活も学ぶように」と説得され、中学卒業後、島外で6年間暮らします。

「父の海士の後継者になりたかった」

現在は、実家で暮らしながら朝8時から海へ潜る日々です。

秀明さんの採ったサザエやアワビは市場に回り、兄の勇人さんが島内で営む1日1組限定のレストラン「リストランテ・マツシマ」などに卸されます。

「採ったものをお客さんが美味しいって食べてくれる姿を直接見られるのが、とてもうれしいです」

目をキラキラさせて受け答えする秀明さんの好きな食べ物はラーメン、好きな飲み物はアイスコーヒー、好きな芸能人は有村架純さん。ちなみに島にはラーメン屋は無く、船で渡って食べに行くそうです。話を聞いていると、都会で暮らす若者とそれほど変わりません。

「漁業以外の仕事があれば……」

秀明さんの採ったアワビとサザエがレストランに並ぶ
秀明さんの採ったアワビとサザエがレストランに並ぶ 出典: 撮影:山本哲也

一方、島内にはコンビニも、信号も、カラオケもありません。そんな暮らしを不便に感じたり、飽きてしまったりしないのでしょうか?

「ないですね。携帯の電波もありますし、アマゾンで注文してもバリバリ届きます。島内で異性と出会うことは難しいですが、佐賀市の友達の紹介で出会うこともあります(笑)。島が小さいので、長距離のランニングコースが無いことくらいですかね」

趣味は畑仕事とトレーニング。休日の楽しみは、島内の友達とサッカーや、魚釣り。たまにバーベキューもします。

このバーベキュー、いったん始まると、どんどん島内の「お父さん」「お母さん」「おじいちゃん」「おばあちゃん」が集まってきて、大宴会となります。

とはいえ、一緒に遊ぶ若者たちの半数は島外に住んでるそうです。

「最近までは20代が10人ほどいましたが、今は出稼ぎで半分くらいが島外に出てっています。漁業資源が枯渇していてできないので、漁業以外の仕事が作れたらみんな戻って来られると思います。そのために養蜂をやってみたり畑仕事も始めました。定期船が夕方で終わってしまうために、兄のレストランもランチ営業しかすることができません。宿泊施設を作れば、この島に来る観光客も増えると思うし、夜の食事も満喫してもらえると思います」

都会だと気づきにくいもの

海が見下ろせる場所でのバーベキュー
海が見下ろせる場所でのバーベキュー 出典: 撮影:山本哲也

グランピング施設作りを決意した秀明さんの言葉で印象に残ったものがあります。

「このままみんなでずっと楽しく過ごしていきたいですね。そしてより多くの人達に島に遊びに来てもらいたいです」

東京で生活をしていると「島暮らし」という言葉には、のんびりした、自然に身を任せるようなイメージを抱きがちです。

文字通り自然の中で暮らしている秀明さんですが、その生活を続けていくため、人一倍、知恵を絞っている人でもあります。

島外の生活も体験し、ネット通販を普通に使いながら、島でできることできないことを考え、大自然の中で自分の生き方をきりひらこうとしています。

何でもあるように見える都会では、自分が何をしたいのか意外と見えなくなるのかもしれません。警官も信号もない島の持つ、もう一つの魅力を教えてもらった気がしました。

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