エンタメ
AAAの浦田直也、ソロアルバムで吹っ切れた「苦しい歌詞」選んだ理由
AAAのリーダー、浦田直也さんが4月26日に出すソロアルバムの歌詞が「奥深い」「しみる」と話題です。「絶望」「快楽」など、ドキッとする言葉が並ぶ曲。一体、何があったのか。グループ結成10周年を経て、メンバーの卒業など、リーダーとして様々な変化をどのように受け入れてきたのか。AAAの今後や、ソロアルバムの歌詞に込めた思いを聞きました。
――ソロアルバム『unlock(アンロック)』の収録曲には別れやウソなどの言葉が率直に歌われています。
「AAAの10周年を経て、自分も今年35歳になります。昔は35歳ってすごい大人だと思っていて。実際、その年齢になってみて、吹っ切れたところがあります。自分の人生をあらためて見つめ直して、大きな壁を越えた気持ちになりました」
――どのような変化が?
「これまで、聞いている人がどう受け止めているかわからないまま、誰かになりきっていた部分があったんじゃないかって。飲み込んでいたことが、たくさんあったんだと気付きました」
――ファンの反応は?
「どう受け止められるか、一瞬、不安にもなりました。でも、共感してくれた。同じ思いを抱いてくれていたんだとわかり、安心しました。隠していたことが、ちゃんと言えた気がします」
――収録曲「虚像」の歌詞は、男女の別れの話のようにも読めますが…
「もっと色んな場面をイメージしてもらえたらと思っています。例えば職場の上司と部下だって、すれ違いがあるし、言いたいことが言えない時があるかもしれない」
――そこには自分の体験も入っている?
「プロとしては、悲しいことがあってもお客さんの前では笑わないといけない場面もあると思います。でも、その笑顔に元気づけられた人がいる。それは本当の自分ではないけど、まるっきりウソというわけでもない」
――ミュージックビデオでは、晴れた日に傘を差しています
「自分を客観視して見ている。毎日がきれいな景色じゃない。そんな気持ちで作りました。SNSに投稿されたファンのみんなの解釈が、驚くほど自分と合っていて。『これは恋愛のことを歌っているように見えるけど、本当は仲間のことだ』って言ってくれた」
――AAAは伊藤千晃さんが卒業されました。グループのこれからについて考えていることは?
「リーダーという意識は、普段、あまりないんです。デビュー当時からメンバーそれぞれの活動は、干渉していない。ただ、AAAとして、やりたいことと、やるべきことがあると思ってやってきました。今後は、やるべきことにもっと力を注いでいきたい」
――「やるべきこと」とは?
「個人的には、今まで、全国各地でライブをやってきましたが、色んな土地の一番大きな会場に立ちたい。ドームやアリーナとか。そういう場所に立つことで、AAAには、それだけの人気があるということを示していきたい」
――ライブのだいご味とは?
「表情が出てくる。生ものなので。その時の感情で同じ曲でも日によって変わる。ただ『楽しかった』だけではなく、何かひっかかりを感じてもらえたらうれしい。AAAを見て『私と同じなんだ』と思ってくれるような」
――リーダーとして心がけていることは?
「気付いたら、メンバーから『直也君』ではなく『リーダー』と呼ばれていました。最初は『えっ』ていう感じで慣れなかったけど。今は、自分で自分のことを『リーダー』って名乗って突っ込まれているくらいです」
「でも、楽しい時は一番、先頭にたってふざけている。そういう役割分担だと思っています」
――ドラマやヒップホップなどメンバーそれぞれの活動も活発です。
「テレビをつけたら『おっ出てる』みたいな。それくらいの距離感で、やってきました。楽屋でのおしゃべりが一番楽しくなっちゃうから、ライブ前も打ち合わせはしません。ステージで全部出し切りたいので」
――ソロアルバムに込めた思いとは?
「元気になる曲ではないかもしれない。自分をさらけ出すことで、同じことを思っている自分に気付いてもらう。そんな思いで作りました」
――収録曲『空』では「空のように素直に生きてゆけるのならば」と歌っています。
「同じ雨という天気でも、困る人と喜ぶ人がいる。そんなことを考えずに空はいる。人間も空くらい自信をもって生きられたらいい。そんな思いで作りました」
――どんな感想がうれしい?
「『いい歌詞』といわれるより、『苦しい歌詞』『悲しい歌詞』と言われた方がうれしい。『何を言ってるかわかない』の方がうれしい。そのうちわかるって言えるから」
1/4枚