「普通の人」が「素敵な10年」と言えるまで、離れなかった故郷

それでも、地元を諦めない人たちがいた

神戸 郁人

津波で流される前の、相馬市の街並みを再現したジオラマ前で、笑顔を見せる住民たち。製作の背景には、一人の男性の存在がありました。その男性が作った、故郷の「歌」について振り返ります。

もうすぐ東日本大震災の発生日、3月11日を迎えます。福島県相馬市に住む男性は、津波によって故郷を一度失いました。「それでも、海の匂いがする街に帰りたい」。そんな思いから、漁師町をよみがえらせようと、住民のリーダーとして力を尽くしてきました。これまであまり語られなかった、当地に住む「普通の人」の10年間。地元への愛情を込めた詩が、やがて歌となり、全国へと羽ばたくまでの日々について、男性の手記「凡人の十年間」を基に振り返ります。(withnews編集部・神戸郁人)

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