「難病の子」は不幸ですか? 苦しみ続ける姿、それでも…家族の日常

鈴木智之
朝日新聞記者

2017年5月、気管切開の手術後、初めて自宅に帰った。「とてもびっくりした顔をしていましたが、心配していたほど調子を崩すことなく、お家を満喫してくれました。お姉ちゃんも大喜びでした」=水谷裕加さん提供

 ICU(集中治療室)で苦しみ続ける息子の姿は、見ていられなかった。いっそ私の胸の中で息を引き取れば――。生まれて8カ月、水谷怜生(みずたに・れお)くんは生死のはざまにいました。国内では33万人に1人と推定される難病「ゴーシェ病」と診断されていたのです。深い葛藤を経た母の裕加(ゆか)さん(35)は、今月3歳になる怜生くんを、滋賀県近江八幡市の自宅で看護しています。「まわりの人にサポートされて怜生はいろんな経験ができ、家族も楽しんで生活しています」。2週間に1度、治療のために入院している県内の病院で、怜生くんに寄り添う裕加さんに話を伺いました。(朝日新聞科学医療部記者・鈴木智之)

続きを読む