理論物理学者から下請け社長 常識破りの発電機で「ヒマラヤに光を」
世界の名門、オックスフォード大で博士号を取得した茨城県の中小企業社長が今、自ら開発したお手軽水力発電機でヒマラヤ山村に電気を届けようとしています。理論物理学者から転身し、下請け中心の家業の後を継いだ菊池伯夫さんの描く夢は?
ネパールで土木工事の要らない水力発電機の説明をする菊池伯夫さん(左)=茨城製作所提供
日立製作所の企業城下町で、下請け工場が居並ぶ茨城県日立市。そこで今、理論物理学者から中小企業社長に転身した菊池伯夫さん(40)が、世界初という土木工事不要の水力発電機を、ヒマラヤの山村に届けようとしています。英オックスフォード大で博士号をとり、世界で研究してきた菊池さんは、畑違いに思える経営も「誰もしたことのないことに挑むという意味で、研究に似ています」。電気普及を足がかりに災害予測までしてしまおうという菊池さんに、その研究者流ビジネスを聞きました。