「ド派手仏像」と「変顔サル」 日光で考えた文化財保護のあり方

日光の「見ざる・言わざる・聞かざる」の顔が今春、修理で大きく変わり、専門家に見て頂くと「問題あり」と言われました。「過去が再現できていないから」ですが、江戸時代から何度も塗り替えている顔は、何が「本当」かは分かりません。何を基準に修理すべきなのか。かつて海外で見たド派手な電飾の仏像から考えました。

長野 剛

ミャンマーの電飾された仏像(左、pixta)と日光東照宮の「言わざる」

 日光東照宮の「見ざる・言わざる・聞かざる」像の修理で今春、猿の顔が大きく変わりました。ネットにも批判的な意見が多く、取材したところ、専門家の見解は、顔が再現できていないのは「課題アリ」。でも、江戸時代から何度も塗り替えている猿は、本当のもとの顔は分かりません。何を基準に修理するのが本当に正しいの? それを考えるヒントをくれたのは、かつて海外で見たド派手な電飾の仏像たちでした。

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