「パクリ音楽」の何が悪い? 寛容だった昭和歌謡 炎上で売れた人も

五輪エンブレム問題で注目を集めた「パクリ」。ただ、ポップミュージックの世界では、珍しいことではありません。かつては、「オマージュ」「影響」「パロディー」として寛容さがあったはずが、気づけば「パクリ」という言葉が席巻する時代に。何が変わったのでしょうか?

河村 能宏

元ビートルズのポール・マッカートニーさん。「僕たちは人の技を盗んだ。昔のレコードを聴いて盗まなければ、その後の僕たちは存在してない」と語った

 昨年の五輪エンブレム問題で「パクリ」行為に注目が集まったのは記憶に新しいところです。ただ、ポップミュージックの世界では、珍しいことではありません。かつては、「オマージュ」「影響」「パロディー」といった多様な言い回しで、作品の類似に対してある種の寛容さがあったはずの社会。それが気づけば「パクリ」という言葉が席巻する時代に。ポップミュージックをめぐる考察。第2回は「パクリ」です。

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