“知らない変な番号から電話がかかって来た”“迂闊に出ない方が良いらしい”そんな投稿がネット上に多く書き込まれています。問題になっているのが、プラス(+)で始まる国際電話番号からの着信。詐欺などの犯罪に巻き込まれる可能性もあり、携帯電話サービスや通信会社、警察庁、自治体が注意を呼びかけています。(朝日新聞デジタル企画報道部・朽木誠一郎)
X(旧Twitter)にしばしば書き込まれる、“知らない変な番号から電話がかかって来た”“迂闊に出ない方が良いらしい”といった投稿。プラス(+)で始まる国際電話番号からの着信が注目を集めています。番号から類推される国名は、アメリカや中国、スリランカ、シリアとさまざまです。
中には「海外に友人はいるけど登録した番号じゃない」「かけ返したら『料金未納』『法的措置』などと言われた」という声も。こうした電話は一体、何なのでしょうか。
「+」のあとに国を表す数字がつくのは、国際電話の番号です。例えば+1ならアメリカ、+86なら中国の国番号になります。そして、警察庁によれば、詐欺の電話に国際電話番号が使用されるケースが近年、増加しているということです。
中には実際に海外から電話をかけているのではなく、国際電話の番号に変えられるスマートフォンのアプリを使い、詐欺グループが国内から電話をかけているケースもあるとみられています。
携帯電話サービス大手のauは、海外から不審な電話がかかってきたときの対応方法として、「存在しない国番号からの電話や、応答すると外国語の自動音声や音楽が流れてくる迷惑電話が報告されています」とした上で、「心当たりがない海外からの電話には出ない」「かけ直しはしない」と注意喚起しています。
うっかりかけ直してしまうと、海外からの電話だった場合に、高額な通話料金が請求されることもあるということです。
通信会社のNTT東日本、西日本は、固定電話およびひかり電話にかかってくる国際電話について、ナンバー・ディスプレイで出る前に番号を確認することなどを推奨、相談窓口を設けて、対策の強化を発表しています。
岡山県岡山市のように、「困ったときは早めに消費生活センターにご相談ください」「消費者ホットライン188も使用できます」と呼びかける自治体も。
心当たりがない番号からの着信に、慌てて出たり、かけ返したりしないように、あらためて注意が必要です。