ネットの話題
ボロボロになったクレパスが見違えた 公式サイトに「巻紙」あります
「有能すぎる」と話題になった取り組みについて取材しました
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「有能すぎる」と話題になった取り組みについて取材しました
やわらかくてのびが良い描画材料「クレパス」。本体に巻かれている紙が汚れてしまった時に付け替えられるように、公式サイトでダウンロードできるようになっています。先日ネット上で「有能すぎる」と話題になったこの取り組みについて取材しました。
株式会社サクラクレパスによると、クレパスが誕生したのは1925年(大正14年)。
クレヨンの定着性の良さと、パステルの混色のしやすさを兼ね備えた点が特徴です。
商品名は、クレヨンの「クレ」とパステルの「パス」をとって命名。
画用紙の上で混色したり、指でこすってぼかしたりと、子どもだけでなく大人も楽しめる描画材料です。
そんなクレパスですが、使っていると巻紙に色が付いて汚れてしまうことがあります。
こんな時に役立つのが、サクラクレパスのホームページにある「クレパス・クレヨン巻紙素材ダウンロードページ」です。
ダウンロードできるデータは、16色用と24色用の2種類。
使い方は、ダウンロードしたデータを印刷し、必要な色をカットして巻き付けるだけ。
それぞれの色ごとに「あか RED No.19」などと書かれており、もともと巻いてある紙とはデザインが違います。
商品名が入っていない分、余白が多めになっているため、名前やクラスなどを書き込むこともできまます。
先日、この取り組みがネット上で紹介されると「有能ページすぎる」「子どもが保育園の頃に知りたかった」といったコメントが寄せられました。
メーカーとしては、いっそ買い替えてもらった方が儲かるように思えますが、なぜ巻紙をダウンロードできるようにしているのでしょうか。
理由についてサクラクレパスの担当者はこう説明します。
「ご購入いただきたいという気持ちが無いとは言えませんが……第一に長く、大切に使っていただきたいという思いがございます」
巻紙データの提供を始めたのは2022年5月。きっかけは、その2カ月前にツイッターでクレパスのお手入れ方法を紹介して注目を集めたことでした。
ベビーオイルなどで汚れをふき取るときれいになることや、巻紙に折り紙を使った例などを紹介すると、多くの反響が寄せられました。
「フォロワーのみなさんの工夫や『もっとこうなればいいのに!』のご要望を拝見し、社内で共有した結果、ニーズの高かった巻紙データの無料配布という結果になりました」
まったく同じデザインを提供しなかったのには、二つの理由があるそうです。
一つはクレパスだけでなくクレヨンにも使ってもらえるようにという思い。
もう一つは模造品が作られてしまうのではないかという懸念です。
取り組みが話題になったことについては、こう話します。
「弊社側からの発信だけでなく、ユーザー様からの発信で話題になっていることもうれしく思います。お手入れをして使っていただくことで、クレパス・クレヨンに愛着も持っていただけるかなと思います。小さくなるまで使い続けていただけるとありがたいです」
サクラクレパスのホームページでは、小さくなったクレパスやクレヨンを再利用した「マーブルクレパス・クレヨン」の作り方も紹介しており、「夏休みの自由研究としてもおすすめです」とのことでした。
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