ネットの話題
流しに栗を忍ばせたの誰だ!高尾山ケーブルカー、ほっこり投稿が話題
お怒りと思いきや…車掌のセンス炸裂
最近、めっきり寒くなり、日に日に秋が深まっています。そんな中、紅葉の名所・高尾山でケーブルカーを運行する企業のツイートが好評です。多くの人々をクスリとほほえませた、この季節にふさわしい投稿の公開経緯について取材しました。(withnews編集部・神戸郁人)
添付画像に写っているのは、流し場とみられる場所です。シンク横に視線を向けると、食器洗浄用のスポンジや洗剤、ハンドソープなどの手前に、たわしが4つほど並んでいることに気付きます。
ところが、どこか違和感も。中央に置かれた2つのたわしのサイズが、両脇を固める別の2つと比べてやけに小さいのです。よく目をこらしてみると、左側のものの天頂から、実のようなものがのぞいています。正体は、イガグリだったのでした。
「誰だー! 駅務室の流しに、山の栗を忍ばせたのは」。画像に付されたそんな文言に「これはそっ栗」「高尾山の天狗の仕業だ」などの返信が殺到。童話「ごんぎつね」になぞらえ、キツネが持ってきたと冗談めかして解釈する人も現れました。
7万近い「いいね」を獲得したツイートは、どのような理由で世に出たのか。高尾山登山電鉄を取材しました。
同社によると、画像が撮影されたのは、ケーブルカーの始点・清滝駅構内の駅務室です。同駅周辺には1本の栗の木があります。始業前に沿線の状況確認に臨んだ車掌が、木の近くに落ちている栗を見つけました。
車掌は当初、路上の栗の写真を撮ってツイートしようと考えました。しかし、昨夏に同様の画像を公開していたことを思い出します。そこで「変化球」を繰り出したいと、今回のアイデアを実行したそうです。
「駅務室は関係者のみが出入りするスペースです。持ってきた栗が流し場の風景に、自然に溶け込むよう設置することを心がけました」
昼頃まで置いておいたものの、誰も気付かなかったといいます。結局、事の次第を「自白」する形で、ツイートするに至りました。画像を見た人々からは、イガに触れる危険を指摘する声も上がりましたが、けが人などはいないとのことです。
「高尾山に毎日いる私たちだからこそお伝えできる、現地の自然や魅力を、わかりやすくツイートするよう心がけています。時には今回のように『面白ネタ』を仕込むことで、訪問のきっかけがつくれればと考えています」
そして、栗のアイデアが好感を得たことについて、同社は次のようにコメントしました。
「話題になり、とてもうれしいです。たくさんの返信や引用リツイートに楽しませて頂きました。中でも『ごんぎつね』に関する感想は盲点だったので、来年のネタの参考にしたいなと思っております(笑)」
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