マンガ
幼稚園に行き渋る息子…突然発した「具体的過ぎる要求」ににっこり
大好きなものへの愛情ほとばしる一幕
幼稚園に行きたくなくて、朝から泣く息子。あやそうとする母に対して突然、意外すぎる一言を告げて……。何気ない日常の1ページを描いたエッセー漫画が、ツイッター上で人気を集めています。思わず笑顔になってしまう、ほっこりエピソードの舞台裏について、作者に聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
「ウエーンウエーン ようちえん いきたくないよお」
話題の漫画は、小さな息子が、母に抱かれつつ涙を流す場面から始まります。どうやら、幼稚園に行き渋っているようです。
「ママがいないとさみしくてないちゃうよお」。うんうん、寂しいんだね……。母が優しく声をかけます。と、ここまでは、育児中の家庭でよく見られる光景です。
それでも、息子のぐずりは止まりません。「ウエーンウエーン 西武がいいよお」。「うん…うん?」。意表を突く発言に、一瞬たじろぐ母。そして〝要求〟の内容は、ますます細かくなっていきました。
「ラビューにのりたいよお」
「いけぶくろから特急ラビューちちぶ号に乗ってせいぶちちぶえきまで行きたいんだよお~」
何と、池袋ー西武秩父間を走る、西武池袋・秩父線の特急列車・特急ラビューちちぶ号に乗りたいと言い始めたのです。「細けぇな…」。思わず真顔になってしまう母なのでした。
9日にツイートされた、今回の作品。描いたのは、るしこさん(@39baby_com)です。3歳の長男と夫の3人で暮らし、育児がテーマの漫画を、スマホ用漫画サイト・よもんがで連載しています。
長男は今年4月、幼稚園に通い始めたばかりです。るしこさんいわく、入園から数日後には、「どうやらママは来ないらしい」と気づいたといいます。それ以降、登園前に激しく「抵抗」するようになりました。
今回のエピソードも、そんな日常のひとコマを切り取ったものです。あまりに唐突に炸裂(さくれつ)した列車愛に、るしこさんは「面白くなってしまった」と振り返ります。
「『いや、電車か~~~い!』というのが素直な感想でした(笑)。長男と『土日になったら一緒に乗りに行こうね』と約束し、その週の週末、実際に特急列車に乗車しました」
ご指名 pic.twitter.com/muN6q8Uwlk
— るしこ (@39baby_com) June 18, 2022
るしこさんによると、長男は西武池袋・秩父線をこよなく愛しているそうです。車両に関する知識も豊富だといいます。特急ラビューちちぶ号については、とりわけ並々ならぬ思い入れがあるのだと教えてくれました。
「出発時に流れる『特急ラビューちちぶ号、西武秩父行きです』という音声案内を覚えるなど、とにかく愛がすごいんです。彼には音鉄(音にこだわる鉄道オタク)の気配があります」
るしこさん一家は以前から、観光目的で秩父に足を運ぶ機会があったとのこと。名所・宝登山(ほどさん)のロープウェイに乗るなど、家族で訪問を楽しんできました。ただ、やはり特急列車への乗車が、毎回一番の目的になるのだといいます。
「今は幼稚園への行き渋りは収まったのですが、当時から土日のお出かけで、秩父をめぐっていました。西武線に乗る当日、長男はものすごく朝早く起きます。いつも時間がかかる着替えや準備も、誰より先に済ませるので、笑ってしまいますね」
「幼稚園に行くことの代案が、細かくて手間もかかる内容で笑った」「息子さん、真っすぐ自分の感情を出せていて素晴らしい」――。今回の漫画には、そんなコメントが寄せられています。一連の反応を受けて、るしこさんはこう話しました。
「『3歳児って、こんなに好きなものにのめり込むんだ!』と、私も驚きつつ見守っています。このまま鉄道愛を突き進むのか、はたまた全く違うものにハマっていくのか。一緒に見守って頂ければ嬉しいです」
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