ネットの話題
小1に届けた「ひじきのり」注文殺到 優しい気持ち、あちこちに連鎖
「ひじきのり」を通じて優しさが連鎖したお話です。
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「ひじきのり」を通じて優しさが連鎖したお話です。
娘からの「給食で出た『ひじきのり』が食べたい」という依頼を受けて、誕生日向けにネット注文した母。事情を知ったメーカーは、手紙とおまけを添えて最速で発送してくれました。誕生会はひじきのりで盛り上がり、記事になったことでメーカーには注文が殺到しています。
ひじきのりを注文したのは、6歳長女、4歳長男、2歳次男を子育て中の月見さん(@tmakh1991)。
5月ごろから小学1年生の長女が「給食で出たひじきのりが食べたい」と言うようになりました。
その後も食べたい、食べたいと言うので、自作してみたら「おいしいけど違う。これじゃない」との感想。
ネットで検索してみると、タカ食品工業(福岡県みやま市)の通販サイトにたどり着きました。
給食用のジャムやマーガリンを主力としている会社で、小袋に入った「Feひじきのり」も売っていました。
8月28日に10g40個入りを2セット注文しましたが、発送は一番早くて9月8日。
長女の誕生日である9月5日に間に合わないなと思いつつ、注文の備考欄にこんなメッセージを書きました。
「小学1年生の長女が給食でひじきのりを食べて衝撃を受けたようで、いつも食べたいと言っています。9月5日が誕生日なので、その日に間に合えば大変うれしいです」
工場の都合もあるから無理だと思いつつ、娘がこんなにも楽しみにしていることを知ってもらえたら、という思いでした。
すると予定よりも大幅に早く、9月2日に商品が到着しました。
注文を受けたタカ食品工業では、備考欄の文章がスタッフの間で話題になっていました。
通販の担当者から話を聞いた販売企画室の担当者が「絶対に間に合わせなきゃ」と大急ぎで発送。
商品の中には、おまけとして「しそ味ひじき」などのサンプル品も入れて、手紙も添えました。
受け取った月見さんが、このことをツイッターに投稿すると拡散。
一連の経緯がネットニュースとしてまとめられ、タカ食品工業のオンラインショップには注文が殺到しました。
「他の部署にも応援を頼んで発送作業をしていますが、追いつきません。到着までにお時間をいただく可能性があり、大変申し訳ないです」
そう話すのは、手紙を書いた販売企画室の担当者です。
備考欄を読んで思ったことは「コロナ禍で学校があったりなかったり、子どもたちも大変だろうな」ということ。
そんな中で給食が始まって半年も経っていない1年生が、自分たちの商品をこんなに楽しみにしてくれているんだ。
そう思うと、なんとしても間に合わせて返事を書かなきゃ、と思ったそうです。
続々と入っている注文ですが、いつもと比べて備考欄にメッセージを書いてくれる人が多いそうです。
「ニュースを見て注文しました」
「給食でタカ食品のジャムが出てたのが懐かしい」
「食が細くなったので、使い切りパックがピッタリです」
中でも特にうれしかったのが、複数寄せられたこんなメッセージでした。
「たぶん大忙しだと思うので、発送はゆっくりでいいですよ」
手紙を書いた担当者は、こう話します。
「まだすべてのメッセージに目を通せていませんが、私たちもたくさんの元気をもらいました。本当にありがとうございます」
40個入りを飽きずに食べられるよう、これからフェイスブックやインスタグラムでアレンジレシピを公開する予定だそうです。
ちなみに本日のご飯、アイスケーキ、手作りクッキーetc...🎀
— 月見☺️6y4y2yママ♡ (@tmakh1991) September 5, 2021
とても幸せなお誕生日となりました🥰
これも一重にタカ食品の皆様と、たくさんのいいねやRT、コメントでお祝いしてくれた皆様のおかげです❤️
本当にありがとうございます😭❤️ pic.twitter.com/ffXHHoAQii
9月5日の昼、月見さんの家では長女の誕生会が開かれました。
テーブルに並んだ手作り料理の中には、ひじきのりを模したクッキーも。
毎年キャラクタークッキーを焼いていますが、ツイッターのフォロワーからのアドバイスもあって、ひじきのりクッキーも追加しました。
いくつも用意した誕生日プレゼントの中で、トップバッターを飾ったのがひじきのり。
80袋をまとめてカゴに盛り、ラッピングして手渡しました。
「何?何?」「あっ!」「ひじきのり、いっぱいある」
期待通りに、長女は大喜びだったそうです。
さっそくご飯にかけて食べることになり、月見さんがスマイルマークを描きました。
まぜずにひじきのりがかかったところだけを食べ始めたので、「ご飯1杯につき、1袋だからね」と注意。
あっという間に完食して、おかわりの2杯目もひじきのりをかけて食べました。
「今日は誕生日なので特別だからね、と言い聞かせました」と月見さん。
ツイートをきっかけに優しい気持ちが連鎖したことについては、こう話します。
「タカ食品さんをはじめ、みなさんに感謝です。娘がもう少し大きくなって理解できるようになったら、『あなたの誕生日をこんなにもたくさんの人たちがお祝いしてくれたんだよ』と教えます。その日が今から楽しみです」
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