ネットの話題
思っていた以上にかわいい…スマホケースになった「あの小袋」に反響
「世界に一つだけ(?)のスマホケースを自作しました。これは、思っていた以上にかわいい…」。そんなツイートに添えられたのは、お菓子などを買ったときによく見かける「食べられません」と書かれた小袋のデザインを模したスマホケースです。小袋は「脱酸素剤」と呼ばれ、酸化を未然に防ぐ役割を果たしています。メーカーの公式アカウントが7日に投稿すると、14万の「いいね」がつき、「かわいい」「ほしい」という声が相次ぎました。投稿の経緯は? 商品化は? アカウントを運営している「中の人」に話を聞きました。
社用スマホ用に、世界に一つだけ(?)のスマホケースを自作しました🙏
— 脱酸素剤エージレス®【公式】 (@mgc_ageless) April 7, 2021
これは、思っていた以上にかわいい… pic.twitter.com/rOzfmE28op
ツイートをしたのは、脱酸素剤「エージレス」の公式アカウントです。製造元の三菱ガス化学によると、エージレスは1977年に世界に先駆けて誕生しました。
食品などが劣化する原因の一つに酸化があります。三菱ガス化学はこの部分に着目し、酸素を吸収することで品質を長期間維持するエージレスを開発しました。主成分の鉄粉を素早く酸化させることで容器内の酸素を吸収し、食品などの酸化を未然に防ぎます。結果、カビや変色の防止にも効果があると説明します。
同じく食品内の小袋では、「乾燥剤」もありますが、こちらは「湿気を取るためのもの」(三菱ガス化学)。パリッとした食感などを維持するために使われることが多いと言います。
食品以外にも、医薬品や文化財保存などの場面でも活用されている脱酸素剤のエージレス。しかし、取引先がメーカーなどの事業者に限られてしまうので、一般消費者には「知ってもらってはいるけど、親しみは少ないのでは」という認識が社内でありました。
脱酸素剤事業部・営業グループの石井仁陸さん(30)は「乾燥剤と混同されたり、ときには食べるときに邪魔と思われたり。社員にとっては愛着ある製品なので、もっと関心をもってもらいたい」。そんな思いも込めて、昨年夏から営業グループでエージレスを紹介するツイッターが始まりました。
投稿は石井さんを含むグループのメンバーが持ち回りで投稿しています。エージレスが入っている食品などを紹介したり、ときには「中の人」の日常をツイートしたり。スマホケースの投稿も、後輩の男性社員が発案したものでした。
「去年の秋に、エージレスのデザインでサコッシュやクリアファイルを作って、ツイッターでプレゼント企画をしたんです。そのときのクリアファイルを後輩が先週、切り抜き始めて。『作ってみたら、かわいくなりました』ということで、当番の日のツイートに選んだようです」(石井さん)
投稿前のやり取りで「もしかしたらバズるのでは」とも話していたそうですが、石井さんは「ここまでとは思わなかった」。ツイッターでの反響については「本当にありがたいです。今回の投稿をきっかけに注目してくださった方も多いと思うので、製品の役割についても知ってもらい、一般消費者の方にも愛着を持ってもらえるようにしていきたい」。
商品化の構想については、「今のところは何とも……。ここまで反響があると思わなかったので、これからちょっと検討したいと思います」と話しました。
1/5枚