ネットの話題
これはほっこり!「社会的距離」動物で解説したイラストが愛らしい
クスリと笑えて、癒やされる解説です
新型コロナウイルスの流行を期に、「社会的距離」という単語を耳にするようになりました。この言葉について、動物の大きさにたとえて解説したイラストが、ツイッター上で評判です。「暗いニュースが多い中、ほっと一息つける瞬間を提供したかった」。投稿主である、環境保護団体の担当者に、話を聞きました。(withnews編集部・神戸郁人)
社会的距離(ソーシャル・ディスタンシング)とは、伝染病の感染を防ぐため、公共の場所で他の人と距離を取る考え方のこと。国や地域によってスタンスは異なりますが、おおむね1~2メートル程度離れるのが望ましいとされています。
国内でも、コロナウイルスの影響が深刻化した3月以降、メディアに取り上げられるように。ただSNS上には、「具体的にイメージしづらい」といった声が少なくありません。
“SOCIAL DISTANCING TIPS”(社会的距離のコツ)。英語のタイトルと解説文が記された各画像を見ると、2人のヒトの姿が。その間には、”2m”という距離表示とともに、文中に登場する4種類の動物が描かれています。
よつんばいになってたたずんだり、寝そべった状態で並んだり……。動物たちの姿は、かわいらしい一方で、シュールな印象も見る人に残します。
「これはほっこりする「ポスターにして貼り出して欲しい」。好意的なコメントが数多く寄せられ、1万4千を超える「いいね」がつき、リツイート数も9千を超えました(いずれも今月1日時点)。
イラストの公開経緯について、WWFジャパン・コミュニケーションズ&マーケティング室の山本亜沙美・メディアグループ長に聞きました。
手掛けたのは、WWFのイギリス支部です。世界中の支部間で情報交換するためのウェブサービス上に、現地のスタッフがアップしていたといいます。
「各国における広報戦略の好事例を探すうち、偶然見つけました。みんながよく知っている動物から、単純に2mという距離を想定し、幾つかピックアップしていたんです」
「コロナウイルス関連の暗いニュースが多い中で、ポジティブな話題を提供できるかもしれない。仲間内で盛り上がり、ツイートしてみました」
中には、イラストの動物を、猫などのペットや、好きな有名人に置き換えて解釈する人々も。一般になじみが薄いテーマながら、自分の生活に引き付けて捉える動きが広がったことに、山本さんは「まさか、これほどの勢いで受け入れられるとは……」と驚きます。
人混みの多い場所に行くときには...
— WWFジャパン (@WWFJapan) March 30, 2020
ジャイアントパンダ、
オサガメ、
若いオスのホッキョクグマ、
2羽のキングペンギン、
くらいの距離を意識してみましょう💡🐼🐢🐻🐧 pic.twitter.com/SU7VF3McKx
最近、コロナウイルスをめぐり、野生生物による媒介を指摘するニュースが注目を集めました。こうした状況も踏まえ、「今回のイラストを見た人には、自然との関係性にも目を向けてもらえたらうれしい」と山本さんは話します。
「特定の動物を食べるなど、世界には様々な文化が存在します。それ自体は尊重されるべきですが、需要を満たすため、密猟や密輸が横行しているという事実は見逃せません。そのことが結果的に、ウイルスの感染拡大につながっている可能性もあります」
「そして環境が変わることで、新たなウイルスが生まれるかもしれません。私たちの社会と自然は、深く結びついているんです」
とはいえ、イラストをツイートした目的は、あくまで世間の雰囲気を明るくすること。山本さんは「社会的距離という言葉を広める、一つのきっかけになれば、何よりありがたいですね」と語りました。
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