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トイレットペーパー騒動、中国でも話題「まさか、それでマスクを?」
新型コロナウイルスによって起きたトイレットペーパー騒動には、中国でも驚きの声が上がりました。中国のSNSでは「2020年の謎行動」「日本にはウオシュレットがあるのに……」など戸惑いの声が投稿。そんな中、日本の薬局が貼り出した言葉が感動を呼びました。トイレットペーパー騒動を目の当たりにした中国人から見える日本人の姿を探りました。
安倍晋三首相が全国の小中学校の休校を要請した2月27日夜、中国版ラインのWeChatにある日本在住の華人グループではトイレットペーパーの話題で持ちきりになっていました。
「スーパーの店頭からなくなった」
「ネット販売を検索しても品切れ状態だ」
新型コロナウイルスを巡っては、香港でトイレットぺーパーがなくなった騒動がありましたが、中国大陸では問題になっていませんでした。中国よりも流通網が安定している日本は、なおさら大丈夫だと思われていました。
実際、翌2月28日に、スーパーやドラッグストアに行くと、紙製品が完全に消えていました。
私は来日して16年、地震、台風を何回も経験してきましたが、今回のようにトイレットペーパーに困ったことはありませんでした。
中国版ラインのwechatでは、友人から次のようなコメントが届きました。
「新型コロナウイルスとトイレットペーパーの関連性がよく分かりません。まさかトイレットペーパーでマスクを作る予定??」
「トイレットペーパーがこんなに早いスピードで消えてしまった。理解不能……」
中国のSNSでは、日本のトイレットペーパー騒動を「ネタ」にする人も現れています。
「日本人:マスクの争奪戦、中国人に負けました。中国人:トイレットペーパーの争奪戦、日本人に負けました」
安倍首相の写真には、次ようなフレーズが付けられ拡散しました。
「ちょっと考えさせてください。私は学校の休校を要請しただけですが、あなたたちはなぜトイレットペーパーを大量購入したの?」
中国版ツイッターの微博では、「日本でトイレットペーパーが消えた」「日本の民衆がトイレットペーパーを大量購入」と言う意味で、「日本多地超市廁紙被搶購」「謠言引日本廁紙搶購」「大量日本民眾囤積廁紙」「日本民眾瘋狂搶購衛生紙」「日本瘋搶衛生紙」などのハッシュタグがつくられ、数百万から数千万のビューと、数百から数千のコメントが集まっています。
中国人の反応からは、両国の違いと共通点が見えてきます。
「何か災難があると、中国人はすぐ食べ物を貯蓄しますが、日本人はトイレットペーパーなんですね」
「中国でも新型コロナウイルスに効くとうわさされた漢方の『双黄連』を争って買い込んだ。やはり災害の前には、みんな同じだ」
「東日本大震災の時、中国では塩を大量購買した人がいたね。一般民衆の気持ちは同じですよ。転売屋は嫌いですが」
「2020年の謎行為の一つですね」
「日本には『温水洗浄便座』があるじゃないですか。水で洗えるし、温風もあるし……」
新型コロナウイルスを巡っては、日本んからの支援物資に中国人がSNSで感謝の気持ちを現すなど、草根の交流が広がりました。
日本の状況を心配する中国人のSNSで拡散した1枚の写真があります。それは、日本のドラッグストアの貼り紙でした。
「やまない雨はない、必ず晴れる」という言葉がはじまり、相田みつをの詩「うばい合えば、足らぬ。わけ合えば、あまる」を紹介するものでした。
新型コロナウイルスという「危機」に対して、一番困難な時こそ、分け合う気持ちが大事になります。中国人も日本人にも変わらない心構えとして、感動を呼んでいるようです。
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