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「おとなドリル」発売前から話題に 18歳成人向け副読本、一般販売も
家庭科の授業向け副読本「おとなドリル」が、ネット上で注目を集めています。
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家庭科の授業向け副読本「おとなドリル」が、ネット上で注目を集めています。
家庭科の授業向け副読本「おとなドリル」が、ネット上で注目を集めています。2022年4月から成人年齢が18歳に引き下げられることを受けて企画されたもので、「おとなの条件とは?」「ひとりでできる契約の楽しさと怖さ」といった6つのテーマを扱っています。発売前にもかかわらず「大人だけど欲しい」と話題になっているこの本について、担当者に話を聞きました。
教育図書が企画した副読本「おとなドリル」。B5判フルカラーの全28ページで価格は税抜き140円。以下の6つのテーマを扱っています。
・おとなの条件とは?(18歳成人で変わること、変わらないこと)
・ひとりでできる契約の楽しさと怖さ
・「支払いはクレジットカードで…」ってどういう仕組み?
・もうお小遣いとは呼ばせない(家計管理の基礎)
・あなたはどのタイプ? 性格診断テスト(気をつけたい悪質商法)
・困ったとき、相談できるのがおとなです!(消費者トラブルなどの相談先を考える)
各テーマごとに、ドリル2ページ+解説2ページが基本となっています。
この本はまだ発売されておらず、教育図書によると3月中旬から下旬にかけて各学校に案内を送る予定だといいます。
発売前から話題になったきっかけはツイッターでした。
今月8日、表紙や中身の一部を紹介する画像が投稿されると、「大人自身の学びなおしにも有効」「一般向けにも発売してほしい」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万4千、いいねは4万6千を超えています。
話題になったツイートの主は、教育図書ものづくり事業部の河井祐樹さん。おとなドリルの編集に関わった1人です。
どのような経緯で企画された書籍なのか? 河井さんに話を聞きました。
――「おとなドリル」を企画したきっかけや狙いを教えてください
2018年に成立した改正民法で、2022年4月から「18歳成人」が始まることが決まったのがきっかけです。
今まで20歳以上でなければ自由にできなかった契約などが、18歳から親の同意なしにできるようになりますが、それに伴って18~20歳の若者を狙った悪質商法や消費者トラブルが増える可能性が指摘されています。
国からは、家庭科などの教科で、「18歳成人」を受けて消費者教育に力を入れていくべきと指針が示され、2022年度から高校の新学習指導要領が全面実施される前に、高校家庭科では移行措置として、消費者教育が強化されることになりました。
ただ、契約などは、おとなでも理解の難しい内容が多く、「生徒の皆さんが気軽に学べる教材を作れないか」と考えていました。
そんな中、NHKエンタープライズ様と協力して「18歳成人 ~できること できないこと~」という学校向けのDVD教材を作ったのですが、その学習をサポートする副読本として考案されたのが「おとなドリル」です。
――企画する上で工夫した点は
高校だけでなく中学校でも取り組んでいただくことを想定しているため、常用外の漢字にはできる限り読みがなを振りました。また、クイズや計算問題などは、勉強が苦手でも楽に取り組めるよう、難易度に配慮しています。
ドリルを通じて、高校生の男の子と女の子が、謎の着ぐるみたちに「おとな」について教えてもらうというストーリーをマンガ形式で入れ、飽きないように工夫しました。
消費者教育の内容を中心に、色々と載せたいものはあったのですが、細かい内容よりも、「おとな」になってから大切なことについて大掴みできるように、なるべく内容を精選しました。
――どのような用途を想定しているのでしょうか
高校家庭科や中学家庭分野の授業で、上記のDVD教材を生徒さん方が鑑賞した後、その内容を振り返るものとして「おとなドリル」に取り組んだり、単体で授業に取り入れたり、進路指導のツールにしたりと、色々な場面でご活用いただければと考えています。
できれば、生徒の皆さんには、家庭科の教科書や資料集と一緒に卒業後も持っていてほしいなと思います。
――ネット上では一般向けの販売を期待する声も上がっていますが
4月以降、一般の方にも販売できるよう計画中です。
――話題になったことについては
今までツイッターを利用するのは、仕事で関わった資料集などのこぼれ話をつぶやいたりする程度だったので、教育図書がここまで注目されたのは、本当に嬉しいです。
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