話題
「いつまでええ子でおるつもりや!」 友人の一言で気づいた僕の本音
高校2年生の時、友人に言われた一言がきっかけで漫画を描き続けている男性がいます。
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高校2年生の時、友人に言われた一言がきっかけで漫画を描き続けている男性がいます。
「おまえいつまでええ子でおるつもりや! ずーと死ぬまでそのまま、ええ子で終わるんか?」。高校2年生の時、友人に言われた一言がきっかけで漫画を描き続けている男性がいます。この実体験をもとにした作品がネット上で注目を集めています。当時のことについて話を聞きました。
今月11日にtwitter投稿された4ページの漫画。
ハッシュタグ「#描くようになったきっかけ」が付けられており、タイトルは「それはまるで呪いのよう」です。
物語は、高校2年生の男子生徒2人が歩きながら会話しているシーンから始まります。
この漫画に対して、「思わず泣いてしまいました」「この漫画を見て改めて自分と向き合うことが出来ました」といったコメントが寄せられ、リツイートは1万6千、いいねは4万6千を超えています。
作者は、noteやtwitterで自主連載の漫画を描いているトキワセイイチさんです。
今回の作品は、noteとマウスコンピューターがコラボして開催している「#描くようになったきっかけ 投稿コンテスト」に応募するために描いたそうです。
当時の様子や、その出来事が与えた影響について、トキワさんに話を聞きました。
――このエピソードはトキワさんの実体験なのでしょうか
全てその通りではありませんが、実体験がベースになっています。漫画として面白く読んでもらうために工夫しました。
「それはまるで呪いのよう」
— トキワセイイチ (@seiichitokiwa) 2019年1月11日
ええ子と、かつてええ子だった大人に。新しいことを始める人のステップになればいいです。#描くようになったきっかけ pic.twitter.com/GeAfonUWbb
――この出来事は今も心に残っているのでしょうか
当時、友人に「いつまでいい子でいるつもりだ」と指摘された時、二つの理由で驚きました。一つは、「いい子であろう」としていた自分を、その瞬間、初めてはっきりと自覚したこと。もう一つは、そのことを友人は見抜いていたんだ、ということ。
驚くと同時に、肩の荷が下りたというか、心がクリアになったというか、そんな実感がありました。とてもショックな一言でしたが、同時に大きな発見もしたような感覚があり、忘れられない体験となりました。
――この出来事がトキワさんに与えた影響は
とても心が楽になったのと、進路が広がりました。選択するかどうかはともかく、見えていなかった選択肢が見えるようになったという感じです。
――描く上で心がけた点は
読みやすさです。絵と文章と空間が、ちゃんと人に伝わるように、と心がけています。
――この漫画を通じて伝えたかった思いは
社会や家族、友人、未来や過去、4ページですが、いろいろ詰めたつもりなので、読まれる方が好きなように受け取ってもらえればそれでいいです。それが創作物の良いところでもあると思います。
タイトルの「それはまるで呪いのよう」ですが、あくまで「呪いのよう(なもの)」であり「呪い」ではありません。
既成概念と固定観念がミックスしたもの、と言えばいいでしょうか。物心ついた頃から、親や教師を含む大人、世代の近い友人、また、生活する中で触れあう人、モノ、情報から自らが作り上げるものです。
それには何の悪意や害もない、むしろ、社会を生きていくために必要不可欠なものです。いずれ、年齢や経験を重ねて成長していく上で、上手にそれを取捨選択できるようになるもの、と考えています。
この漫画は、そんな「呪いのようなもの」を自分で取捨選択していいんだ、ということに気づくシーンを切り取った漫画、と言っていいかもしれません。
――多くの反響が寄せられていることについては
とても嬉しかったですし、驚きました。同じように思っていた人たちがこんなにいたのかと。twitterやnoteで反応してくれた方々の様々な意見を読んで、いろんな意味で私も救われた気持ちになりました。反応してくれた人から見れば「人に言えないあるある」だったのかもしれません。
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