話題
死神「毎日頑張っちゃダメですよ」 ツラいこと我慢しているアナタへ
絶望して電車に飛び込もうとする女性を救ったのは死神だった――。そんな場面から始まる漫画が、ネット上で注目を集めています。
話題
絶望して電車に飛び込もうとする女性を救ったのは死神だった――。そんな場面から始まる漫画が、ネット上で注目を集めています。
絶望して電車に飛び込もうとする女性を救ったのは死神だった――。そんな場面から始まる漫画が、ネット上で注目を集めています。「人間は毎日頑張ってはダメなんですよ」「頑張りを耐えることに使ってはいけない」。死神の名言はどのようにして生まれたのか? 作者に話を聞きました。
今月24日にツイッター投稿された4ページの漫画。
「あ、今死ねば会社行かなくていいじゃん」とつぶやいて電車に飛び込もうとする女性を、「命を粗末にしてはいけません」と言いながら死神が救う場面から始まります。
「あなたの魂は若すぎる。魂は長く研鑽(けんさん)され熟成されてこそ価値が出ます。ワインと同じです」と死神。
女性は「まるでその言い方じゃ私の人生は価値がないみたいじゃない」「私だって頑張ってきたのよ!! 激務に耐え、上司に耐え、毎日毎日頑張って我慢してきたのよ!!」と泣き出します。
すると、死神はこう返します。
「人間は毎日頑張ってはダメなんですよ」
人生をマラソンに例えながら、「ときには頑張ることも必要です」「ですがそれを毎日続けたら壊れます」「日々の生活では5割の力でいいんです」と諭した後、こう付け加えます。
「あなたは頑張り屋です。でもその頑張りを耐えることに使ってはいけない。あなたの魂が輝ける場所を探すこと。そのために頑張りなさい」
毎日ツラいことを我慢している人に読んで欲しい pic.twitter.com/7CbUhZ3smB
— ベニガシラ@同人若頭2巻作成中 (@poppoyakiya) 2018年4月24日
この投稿に対して、「こんな感じの死神さんならいて欲しい」「とても分かりやすくて伝わりやすい」「人生はマラソン、魂はワイン 目からウロコでした」といったコメントが寄せられ、リツイートは6万、いいねは13万を超えています。
漫画を描いたのは、webを中心に活動している漫画家のベニガシラ(@poppoyakiya)さん。
同人サークル「ポッポ焼き屋」を主催していて、「魔王がブラック企業の社長になる漫画」や「ギャグ漫画家が上司の命令で『新人教育マニュアル』を作った結果」などがツイッターで話題になった人です。
どのような思いを込めて描いたのか? ベニガシラさんに話を聞きました。
――今回の作品を執筆しようと思ったきっかけは
私はサラリーマンをしながら漫画家をしています。会社の仕事と漫画家の仕事で激務だったとき、このマンガを思いつきました。
自分が絶望的な状況だったので、希望のある話を見たいと思ったのがきっかけです。
――命や死神をテーマにした理由は
現在、過労やブラック企業の激務を我慢し過ぎて、自ら命を落とす人がいるので、そういう人に向けて描きました。
死神は魂を狩る存在ですが、「未熟だったり、未練を残した魂まで刈り取るのだろうか?」「成熟した魂にこそ価値があるのでは?」という着眼点からプロットを作成しました。
――制作する上で心がけた点や、工夫した点は
命をテーマにすると暗くなりがちなので、そうなりすぎないよう気をつけました。
――最も伝えたかったメッセージは
やはり「毎日頑張ってはいけない」という点でしょうか。人生において全力で挑まないといけない場面はあるかと思いますが、それを一生は続けられません。
エンジン全開で走り続けた車が壊れてしまうように、人間も毎日死ぬ気で働くと壊れてしまいます。なので、日々の生活はほどほどに過ごすのが大事だし、ほどほどで働ける場所を探すのが重要だと思います。
――「ここに注目」という点があれば
前に私が描いた「魔王がブラック企業の社長になったマンガ」と比べていただけると、絵柄やテーマの変化などが楽しめて、面白いかと思います。
――話題になったことについては
感想を見ると、日々心をすり減らして働いている人が多くいるんだと感じました。私のマンガが少しでも息抜きになってくれれば、作者冥利(みょうり)につきます。
1/47枚