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紙を挟むとメッセージが変化! 佐賀の人権クリアファイルが話題に
佐賀県が制作したクリアファイルが、ネット上で注目を集めています。
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佐賀県が制作したクリアファイルが、ネット上で注目を集めています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「人の痛みに敏感に気付き、相手を思いやることの大事さを子どもの頃から認識してもらいたい」。そんな思いで制作されたクリアファイルが、ネット上で注目を集めています。何も入れていない時と、紙を挟んだ時で、それぞれ浮かび上がるメッセージが異なる仕掛けが施されています。どんな仕組みになっているのか? 佐賀県の人権・同和対策課に話を聞きました。
今月26日にツイッター投稿された、クリアファイルを写した画像。
1枚目の画像は、中に何も挟んでいない状態を写したもので、県鳥であるカササギ(カチガラス)2羽と、「こころないコトバで きずついているひとは いませんか」とメッセージが書かれています。
2枚目は白い紙を挟んだ状態で写してあり、先ほどのメッセージの大部分が消えて、「きづいて ひとのいたみ」の文字が浮かび上がっています。
中に紙を挟むことでメッセージが変わる仕掛けが施されているようで、よく見るとカササギの表情や吹き出しコメントも変わっています。
この投稿に対して、「え!すごい!」「これは税金の有意義な使われかた」といったコメントが寄せられ、リツイートは5千、いいねは8千を超えています。
この仕組みについて、佐賀県の人権・同和対策課の担当者はこう説明します。
「クリアファイルの表面には『きづいて ひとのいたみ』、裏面内側に『こころないコトバで きずついているひとは いませんか』と印刷されていて、表と裏の文字は重なるようになっています。紙を挟むことで裏面内側が隠れるため、メッセージが変わるんです」
このクリアファイルは、県内の小学5・6年生全員(約1万5000人)に配布するために制作されたもので、順次発送中だといいます。
制作にあたって、複数の広告会社でコンペを実施。テーマは「人の痛みに敏感に気付き、相手を思いやることの大事さを子どもの頃から認識してもらいたい、というメッセージが伝わるもの」でした。
参加したうちの1社が、紙を挟むことでメッセージが変わる仕掛けを提案したそうです。
「デザイン性も優れていて、仕掛けを通じて子どもたちにメッセージがシンプルに伝わると思い、この案を採用しました」と県の担当者は言います。
話題になったことについては、こう話します。
「県が制作したものといえば、スローガンなど堅苦しいものだと思われがちなので、意外性があったのかもしれません。このクリアファイルを通じて、人権に対する意識が芽生え始めた児童たちに、思いがストレートに伝わることを期待しています」
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