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「悔しいけれどお別れです」 スペースワールド、最後の広告が泣ける
今年いっぱいで閉園する北九州市のテーマパーク「スペースワールド」。ついに最後のポスターが発表されました。
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今年いっぱいで閉園する北九州市のテーマパーク「スペースワールド」。ついに最後のポスターが発表されました。
【ネットの話題、ファクトチェック】
閉園まであと半月となった北九州市のテーマパーク「スペースワールド」。昨年12月に閉園を発表して以降、「やけくそ」とも思える変わった広告を連発してきましたが、ついに最後のポスターが発表されました。「今年、変な広告ばかりしていたのは、最後まで笑ってスペワに来てもらいたかったからでした」という書き出しで始まるポスター。ツイッター上では「泣ける」と話題になっています。制作の経緯を聞きました。
スペースワールドは1990年、新日本製鉄が八幡製鉄所の遊休地にオープンさせた施設です。
国内初の「宇宙」をテーマにしたレジャー施設でしたが、入場者数は低迷。2005年に民事再生法の適用を申請し、レジャー会社の加森観光(札幌市)が経営を引き継ぎました。
昨年11月には、約5000匹の魚を氷漬けにしたスケートリンクがインターネット上で「残酷」などと批判されて中止となり、注目を集めました。
その一方で、閉園が決まってからは積極的なPRを展開。
ザ・ドリフターズのコント番組を彷彿とさせる言い回しで、「なくなるョ!全員集合」と呼びかけるポジティブなCMを制作したり、スケートリンクの件を逆手にとって「今年はなんと、普通のスケートリンク。今年は何もいません!」というCMを流したり。
これらのCMに対して「自虐感半端ない」「やけくそ感最高ですよね」といった声が寄せられ、ネット上でたびたび話題になりました。
そんなスペースワールドが先日公開した最後のポスターが話題になっています。
職員が並んで敬礼のポーズをとっている写真に、「またいつか、別の星で、会いましょう」のキャッチコピー。下の方には、こんな文章が書かれています。
このポスターを写した画像がツイッター投稿されると、「ウルっときました」「溢れそうな涙を必死で戻してる」といったコメントが寄せられ、リツイートが5万、いいねは7万を超えています。
今回の広告の狙いについて、スペースワールドの広報担当者は、こう説明します。
「ふざけたこともやってきましたが、最後はまじめに、感謝の思いを込めてお別れをしたいと考えました」
一連の広告の効果もあって、集客は尻上がりに増えているといい、週末になると待ち時間が2時間を超えるアトラクションも出てきたといいます。
こうした動きを受けて、クラウドファンディングで目標額に到達しなかった企画「シャトル花火イリュージョン」を、スペースワールドが自腹を切って開催することを決定。最終日である12月31日に2回実施する予定で、費用は総額3000万円かかるといいます。
また、「ダストレス蛍光チョーク」(3本セットを200円で販売)を使って、スペースワールドの屋外路面に自由にらくがきするイベント「らくがき遊園地」も12月22日まで延長。サヨナラのメッセージを園内に書き込むことができます。
「あと半月、最後まで楽しい思い出を持ち帰ってもらえるよう、従業員一同、力を尽くしますので、よろしくお願いします」と広報担当者は言います。
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