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「動物園の動物はオモチャじゃない!」 飼育員の勇気ある掲示に反響
北海道帯広市の「おびひろ動物園」で、マンドリルの前に貼り出されたメッセージに多くの反響が寄せられています。
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北海道帯広市の「おびひろ動物園」で、マンドリルの前に貼り出されたメッセージに多くの反響が寄せられています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
「動物園の動物は、あなたのおもちゃではありません」。北海道帯広市の「おびひろ動物園」で、マンドリルの前に貼り出されたメッセージに多くの反響が寄せられています。「2度目のお願いとして、あえて強い口調で書いたんです」と話す飼育担当者に話を聞きました。
今月1日、ツイッターに投稿された複数の画像。おびひろ動物園のマンドリルが飼育されている場所に設置されたメッセージを写したもののようです。
そのうち2枚は、マンドリルを観察する際の注意事項が書かれています。1枚目は優しい文体でこう書かれています。
そしてもう1枚は、やや強い文体で書かれています。
この投稿に対して、「ここまで厳しい表現の掲示は初めて」「動物のストレスに配慮が行き届いてる」「飼育員さんの勇気に感動した」といったコメントが寄せられ、リツイートは2万を超えています。
この注意書きを書いたのは、おびひろ動物園のマンドリルの飼育担当者です。
「『おねがい』と書かれた方は今年の夏に貼り出したもので、『大人の方へ』の方が先月中旬に追加で貼り出しました」
この動物園で飼育されているマンドリルは、「キーボー」(オス、13歳)と、「サラサ」(メス、10歳)の2頭です。メッセージはキーボーへの配慮をお願いするために書いたそうです。
「キーボーは国内で生まれて人工哺育(ほいく)で育ちました。その中でベロを出すしぐさを覚えたようです。人間がまねをすると興奮して、その後にマスターベーションをするのが何度が確認されました。マンドリル一般に共通するというより、キーボー特有の行動かもしれません」
夏に最初の注意書きを貼り出しましたが、その後、その掲示を見た大学生風の4人組が交互にキーボーをバカにするようにベロを出しているのを見かけて、2枚目の掲示を決めたそうです。
「2枚目はあえて強い口調で書きました。本来のマンドリルの行動とはかけ離れた行為を、これ以上続けさせたくはないんです」
ネット上で話題になったことについては、「どの動物園でも禁止行為はあります。今回のことがきっかけとなって、マンドリルだけでなく、他の動物に対しても配慮しながら観察してくれる人が増えたらと思います」と話します。
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