連載
外出先から「直帰」、線引きどこ?「帰っていいでしょうか」は要注意
千歳原教次
40歳の営業部部長。経験豊富で、他人に厳しく自分にはより一層厳しい。趣味はオーディオとバイク。
朝日奈彬
営業部所属の28歳。高いコミュニケーション能力とポジティブシンキングが持ち味。趣味はテニス、スキー、サーフィン、ランニング。
大神勇人
営業部所属の24歳。物怖じせずに相手の懐に飛び込む姿勢とフットワークの軽さが自慢。趣味はカラオケと祭。
千歳原
朝日奈
大神
直帰の線引き、悩ましい問題ですね。その日のタスクが終わっていれば、帰っていいような気がするし、やはり一度会社に顔を出しておかなければならない気もするし……。社内ルールがある場合は別ですが、そうでなければ一体どうしたらいいのでしょうか。17年間の国際線客室業務員経験をもとに人財育成トレーナーとして活躍する「All About」ビジネスマナーガイドの美月あきこさんに話を聞きました。
「自分たちでは独断で考えず、相談するのが大前提です」。こう話した上で、美月さんは部下が気をつけるべきワードを挙げてくれました。それが「帰ってもいいでしょうか」です。
「もちろん、先方とのやり取りを報告した上で帰宅の判断を仰ぐのは構いません。まずいのが、『打ち合わせが終わりました。今日は帰ってもいいでしょうか』と真っ先に言ってしまうことです」
美月さんによると、大事なのは「仕事の状況を社内で共有すること」です。先方との関係性がどの程度進んだのか、次のアクションが求められているのか……などは、今後の仕事を円滑に進めるために必要な情報です。「やり取りの内容に加えて、先方の顔色など細かなニュアンスも含めて伝えておくといいでしょう」
報告の仕方も、電話を基本にしつつも「メールやSNS、チャットツールなど、上司のスタイルに合わせればいいと思います」と美月さん。概要を報告することによって、「『帰社して直接話した方がいいか』や『直帰して詳細はメール、もしくは翌日報告でいいか』ということがお互いに判断できるようになります」と話します。
打ち合わせが前もって決まっている場合やプライベートの予定が後に入っている時などは、「事前に相談しておくことで、直帰の判断もスムーズになります」。一方、時間だけで直帰するかどうかの線引きを決めてしまうのは、「避けた方がいい」と強調します。
「あくまでも仕事内容の共有を最優先に考えた方がいいです。その上で直帰しても問題ないと判断すれば、『お先に失礼させていただいてよろしいでしょうか』と伝えて帰るのがスマートでしょう」
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