話題
小沢一郎さんに聞いてみた「野党って何ですか?」「政界再編は?」
野党の存在感が薄いと言われます。今から20年以上前、1990年代に自民党から野党に飛び出て政界再編を仕掛けたのが小沢一郎さんです。野党が弱いと何が問題なのでしょうか? 今は少数野党に所属する小沢さん自身、つらくはないのでしょうか? じっくり話を聞きました。
――野党とは何でしょうか?
「政権をとっている与党が国民の期待に反する行動をとったり、権力を乱用したり、腐敗が起きたり、そういう時にいつでも、与党に代わって、国民の支持の下に、政権を担当し得る政党が野党です」
――政権への不満の受け皿づくりはどのように進めますか。
「野党第1党の民進党がリーダーとして旗を振って、『この指とまれ』と、政党や政党に属さない人も含めて、安倍政権では国民のためによろしくないと思う人すべてが結集して、初めて国民の受け皿になれる」
――もう一度、政界再編はありますか。
「もちろんあります。なければ日本の将来はない」
――今は少数野党にいますが、つらいと思うことはないですか。
「そんなことはつらくない。政権交代をできるグループがいまだにいないということが非常に悲しい。これを作り上げるまで全力でがんばる」
――1990年代の政界再編。その真ん中に小沢さんはいました。今後の見通しは。
「それは分からない。神様でないと分からない」
――小沢さんは自民党を離党したのちに新生党をつくりました。
「当時は、自民党内も、世間も、とにかく政治改革だという雰囲気が高まった。その一番の柱は小選挙区制の導入だった。政権交代を容易にするには小選挙区しかないと」
「でも、(当時の首相の)宮沢(喜一)さんが、小選挙区制をやると言ったのに、ひっくり返した。国民に向かってウソをついた。これは許せないということで、内閣不信任案に賛成したというのが経過だ」
――「非自民」勢力のあるべき姿とは何か。
「政権交代ができないのは民主主義じゃない、ということだ。政権交代ができて初めて民主主義が機能する。要するに、政権党に対して、野党がチェック機能を果たす。それによって、緊張した政治を実現する。与党がいい加減なことをやれば、国民がすぐに政権を代えることができる仕組みが必要だ」
――次の衆院選に向けて、野党共闘の枠組みには共産党も入っています。
「確固たる野党共闘こそが、政権交代の近道だ。共産党はこちらと一緒になろうなんて思っていないし、こっちも思っていない。ただ、今の政権よりもマシな、国民の生活に目を向けた政権をつくらなきゃならない、という点では一致している」
「今の政権では将来の国が危うい、国民生活も危ういと思う人たちは、みんな一緒になって衆院選を戦えばいい」
「そのために、自民党に代わる受け皿になる勢力をつくらなければいけない。(中小の勢力が)四つも五つもあったのでは、受け皿とは国民は見なさない。だから、『一緒にならなければダメだ』とぼくは言っている。かつて民主党と自由党が一緒になったように」