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あれっ?この服って… 秀逸なマナーポスター、細部にこだわった訳は
阪急電鉄のマナー向上を訴えるポスターがネット上で話題になっています。
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阪急電鉄のマナー向上を訴えるポスターがネット上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
阪急電鉄のマナー向上を訴えるポスターがネット上で話題になっています。全部で11種類ありますが、こっそり同じ人物が登場していたり、同じ場面を別な角度で紹介していたりと、細かな「遊び心」に気づいた人たちが話題にしているのです。「普通のポスターでは注目していだけないので……」と話す担当者に話を聞きました。
先月22日、「貴様を女子の隣にはさせないという静かな復讐心感じられて好き」という文言とともにツイッター投稿された画像。そこには阪急電鉄のポスターが写されています。
キャッチフレーズは「人気は独り占めしても 座席は独り占めしない」。
「人気は独り占めしても」の下には、5人の女子に囲まれる野球部員のイラストがあって、ラグビー部員とサッカー部員が木の後ろから悔しそうに見ています。
「座席は独り占めしない」の下のイラストでは、登場人物全員が並んで列車の座席に座っています。
しかし、よく見ると真ん中に野球部員がいて、その両隣にラグビー部員とサッカーがいます。まるで「おまえを女子の隣には座らせないぞ」という風に見えます。
この投稿のリツイートは5万、いいねは9万を超えています。
阪急電鉄のマナー向上ポスターが話題になったのは、これが初めてではありません。
先日は、「目当ての服は譲らなくても 優先座席はすすんで譲る」というポスターが注目を集めました。
「目当ての服は譲らなくても」の下には、セール会場で横縞のワンピースを取り合う2人の女性が描かれており、「優先座席はすすんで譲る」の下では、2人がそろってお年寄りと妊婦に席を譲っている様子が描かれています。
下のイラストで女性2人が着ている服に注目すると、1人は横縞のスカート、もう1人は横縞のノースリーブを着ています。まるで、上のイラストで取り合ったワンピースを上下で分け合ったようにも見えます。
「気づいてくれた人が話題にしてくれたらという期待を込めて、このシリーズのポスターでは細部にこだわりました」。そう話すのは阪急電鉄運輸部の江島周一郎さん。
上の2枚以外にも、モデルがランウェイを歩く場面が、別のポスターでは照明係の視点から描かれていたり、同じラグビー部員がこっそり別のポスターに登場していたりします。
2015年からスタートした企画で、3カ月に1回のペースで新作を公開。利用者からの声を直接受けている運輸部の職員が、阪急アドエージェンシーの社員と一緒になってアイデアを出し合って制作しているそうです。
「人気は独り占めしても~」は7月に公開したもので、昨年の作品である「目当ての服は譲らなくても~」のポスターと2枚一組で駅構内などに掲出。すると、細かな設定に気づいた人がいて、両方とも話題になったそうです。
「このシリーズでは、『○○をしないでください』というネガティブな表現ではなく、『マナーを守ると、こんな風に気持ちよく過ごせます』という前向きなメッセージにしました。これらのポスターがマナーに対する気づきになったらうれしいです」と江島さん。
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