グルメ
31歳になった「からあげクン」27億食ヒットの理由 「夏には200種」
コンビニで定番のローソン「からあげクン」。1986年4月15日が「誕生日」で31歳になります。日本記念日協会は今年から、4月15日を「からあげクンの日」に認定しました。1986年のこの日に発売が始まったからあげクンは、いまや累計27億食を販売するロングセラー。人気の秘密をひもとくと、3つの理由がありました。
からあげクンが生まれた31年前。からあげは、おかずの一品としてスーパーなどで売られているのが一般的でした。それを「スナック感覚で食べられるように」と開発。店頭で揚げ物をする商品はまだなじみがなく、店の設計変更なども経て、1986年4月に塩味の「からあげクンレギュラー」が発売されました。
国産の鶏ムネ肉にこだわり、初代のパッケージは英字新聞風のデザイン。88年12月にはぴりっと辛い「からあげクンレッド」を出しました。「指でつまんで歩きながら食べられる」というコンセプトや、テレビCMによる宣伝などがあたり、「ローソンといえばからあげクン」と言われるようなヒット商品になりました。
5個入り200円(税別)の価格も発売当時から変わらず、愛され続けるからあげクン。ローソンによると、ロングセラーになった3つの理由があるそうです。
まずは品質について。からあげクンは100%国産鶏肉のムネ肉を使い、生産も国内の工場に限定しています。冷凍した鶏肉を店内で揚げていますが、その調理法も製造元のニチレイフーズと協力。衣をサクッとさせて、肉の水分が失われないように原料を見直し、ジューシーな仕上がりを追及し続けています。
からあげクンと言えば、毎週のように出てくる新商品の数々。ローソンによると、これまで販売した商品は約190種類です。担当者は「夏ごろには200種類になるのでは」と話しています。
発売当初から「クリームシチュー」「サルサ」など「攻めた新商品」が多かったからあげクン。しかし、2002年までは合計でも19種類と少なめでした。
その後、「天下一品」や「餃子の王将」などといった有名店とコラボレーションや、「桜えび」(静岡)や「熊本甘夏」など全国各地の地元食材を使った商品を始めると、味の種類は急増。「定番だけだと飽きてしまうので、お客さんが食べてみたいと思うような味を毎回提案しています」と話します。
商品の味や品質だけではなく、その世界観にもこだわりがあるからあげクン。その象徴が現在のパッケージに描かれているキャラクター。にわとりかと思いきや、妖精という設定です。
このキャラクターは、パッケージが3代目に変わった2003年から登場。からあげクンの公式サイトには、味ごとに両親や兄弟や友人などに分かれている相関図まであります。2代目パッケージに登場する「からあげおやじ」は育ての親という設定です。
キャラクターを作り、設定にこだわることで世界観をつくる。それが味やコラボ企画と連動することで新たな話題づくりにつながっています。
18日には専門店が監修した「塩だれ味」が東日本・中日本・西日本の3地区別々で発売されます。絶えず進化を続けるからあげクン。31歳の誕生日を迎えても、その勢いは衰えそうにありません。
1/23枚