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親になってわかった「子連れママが電車で座らない訳」 漫画に共感
電車内での実体験を元にした漫画が、ツイッター上で話題になっています。
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電車内での実体験を元にした漫画が、ツイッター上で話題になっています。
【ネットの話題、ファクトチェック】
電車の中で見かけた子連れママ。席が空いたのに座ろうとしない様子を見て「どうしてなんだろう?」と不思議に思っていたけど、自分が親になって理由がわかった――。そんな実体験を元にした漫画が、ツイッター上で話題になっています。「知ってもらえれば、世の中がもっとうまくいくかも」。そんな思いで描いたという作者に話を聞きました。
漫画は独身時代の作者の回想から始まります。
赤ちゃんを抱っこしてドアの前に立っている女性を見かけて、「よかったら座ります?」と声をかけました。
すると、恐縮した様子で「い……いえ、いえいえ! 大丈夫です! 立ってますから!」と返されます。
当時は、なぜ子連れのママが座ろうとしなかったのか、わかりませんでした。でも、自分が親になって、その理由がわかったそうです。
立ってガラス越しに電車を見せないと泣く息子。立って抱っこしないと揺れに酔ってしまう娘。「親が座りたくても、子どもが許さないシチュエーションがすごく多い」ということに気付いたそうです。
今月2日、この漫画がツイッターに投稿されると、子育て中の人を中心に「そう!ほんとそうです!」「懐かしいです」といった共感の声が相次ぎました。
中には「勉強になりました」「一生気づかないままだったかも」「なるほど…親になってみないとわからないことですね」といったコメントも寄せられ、リツイートは1万5千を超えています。
作者は、オタクが戦国時代にタイムスリップする漫画「戦国コミケ」や、育児漫画「息子の俺への態度が基本的にヒドイので漫画にしてみました」などで知られる横山了一さんです。
どんな思いで、この漫画を描いたのか? 横山さんに話を聞きました。
――描こうと思ったきっかけは
「先日、妻の実家がある神戸に向かう電車の中で、席が空いても座らない子連れのママを見かけて、ふと昔のことを思い出しました。そして直感的に『これは描かなきゃ』と思ったんです」
――「直感的に」ですか?
「はい。神戸に着いたその日の夜に描いて、ツイッターに投稿しました。いつもなら描いた後にスキャナーで取り込んでアップするんですが、帰省中だったので、そのままスマホで撮影しました」
「普段からいろんなジャンルの漫画を投稿しているんですが、今回はいつもとは違う広がり方でした。意識していなかったのですが、社会問題やマナーといったテーマだったからこそ、描かなきゃって思ったのかもしれません」
――横山さんは現在、子育て中ですよね。今でも席を譲ってもらうことはありますか
「電車で4歳の娘を抱っこしていると、たまに『座りませんか』と声をかけていただくことがあります。そういう時はいったん座りますが、娘が嫌がった場合は『やっぱり立っていたほうがよさそうなんで』と声をかけて、また立つこともありますね」
――漫画で伝えたかったことは
「今さら描くことでもないかなあ……と思っていたんですが、やはり抱っこ事情などは、わからない方もたくさんいるかもと思ったんです。知っておいてもらうことで、世の中がもっとうまくいったらいいなという思いを込めました」
――多くの反響が寄せられています
「ほとんどが子育て中の方からの共感の声で、『座っても子どもが足を広げるので、隣に迷惑がかからないか心配して座らない』という方がけっこういました。座らない理由を初めて知ったという方もいたので、描いてよかったと思っています」
――子育て中の人たちへメッセージを
「やまない雨はないので、いずれ変なこともしなくなって楽になります。辛抱強く育児してください」
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