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トランプ氏の朝ツイ、動物学者が分析すると…「ボス猿と類似」
就任演説が注目されるトランプ次期米大統領。初の記者会見で、けんか腰の態度を見せ、ツイッターでは、早朝から攻撃的な発言を投稿しています。どういう心理状態で、どんな狙いや効果があるのか。動物学者に分析してもらいました。(朝日新聞ニューヨーク支局記者・金成隆一)
「トランプ氏は、チンパンジーの『α(アルファ)オス』(ボス猿)のように、騒がしく威嚇することで(集団を)支配する方法を知っている」
暴言の多いトランプ氏は「いずれ失速する」と見る人が少なくなかった昨年2月、タンザニアでチンパンジーの群れを研究した南カリフォルニア大のクリストファー・ボーム教授(文化人類学)が、トランプ氏が共和党候補の座を勝ち取ることになると予測する論考を発表した。
ボーム氏は、大統領選を「霊長類の政治」と見立てて分析。トランプ氏の駆け引きの手法と、群れで序列1位のαオスの振る舞いに類似点を見いだしたのだ。
ボーム氏は「(自らに向けられた)あらゆる敵意に対し、人間の尺度で言えば過剰反応し、挑戦を試みたライバルに報いを受けさせていた」と指摘する。ジャングルでも、αオスは挑戦してきそうな相手を見るや即座に攻撃。先制攻撃を仕掛けることもある。
選挙で勝利した後、攻撃的なツイートを続けるトランプ氏の行動についても注目。ボーム氏によると、αオスは、研究者のテントから盗み出したドラム缶をたたいたり、長く黒い毛を逆立てたりして他のサルを威嚇し続けるという。
ボーム氏は「トランプ氏は極度に威張り、誰かが攻撃の兆候を見せようものなら即座に反撃できるよう準備することで高い地位を維持している。αオスにそっくりだ」。
また、トランプ氏はツイッターに早朝、投稿することが多い。ボーム氏の論考では、αオスが早朝に起き、ライバルの寝床を襲うこともあると紹介している。
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