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ジャニーズ中国人ファンが心配する「転売禁止」 爆買いツアーの実態
「日本一入手困難」と言われる嵐のチケット。そんなプラチナチケットをめぐって、ネット上では高額転売される事例が相次ぎ、問題になっています。一方、海外の中でも特に熱い中国人ファンにとって転売サービスは数少ない入手ルートになっています。今後、海外ファンはチケットを入手できるのか? 1度のツアーで50万円は使うという「爆買い」の実態は? 熱心な中国人ファンとジャニーズ事務所に取材しました。
中国人の女性シーさん(30)は嵐の「潤担」(じゅんたん)と言われる、松本潤さんのファンです。日本への留学を経て、現在は中国の武漢市に住んでいます。
ファンになったのは3年前。当時、学生だったシーさんが、嵐ファンの友人と一緒にテレビ番組を見たのをきっかけにはまりました。
今年も11月の嵐のドームツアーに参加するために、武漢から直行便で来日しました。
シーさんは嵐のファンクラブに入っていますが、チケットはまず当たりません。そのため、ネット上の転売サービスを使って高額なチケットを入手してきました。
しかし、ジャニーズ事務所が転売サービスで手に入れたチケットを無効とする方針を打ち出したため「チケットが買いにくくなって困っています」と嘆いています。
海外のファンは、今後、どうやってチケットを入手すればいいのでしょうか?
ジャニーズ事務所は正規販売以外のチケット購入をやめるよう公式サイトで呼びかけています。海外ファンのチケット入手については、取材に対して「入会および郵送物受取が日本国内で可能な方(日本在住の知人がいる場合)は、入会は可能になっております」と回答しました。
つまり実際は住んでいなくても、日本国内でチケットが受け取れるならファンクラブ経由でチケットを買うことができるという説明でした。
ただ、海外ファンの全員が、日本でチケットを受け取れるわけではありません。シーさんは「日本に住所がないためファンクラブに入れず、高額になっても転売サービスを利用せざるを得ない人がいます」と話します。
シーさんのような海外ファンは、コンサート以外でもアクティブに活動するそうです。
定番が「聖地巡り」です。嵐のメンバーゆかりの神社を調べ、各地を訪ねます。桜井神社、二宮神社、潤神社、大野神社が有名です。
福岡市糸島にある桜井神社、二宮神社、潤(うるう)神社は、聖地として特に有名です。滋賀県栗東市の「大野神社」や、長野県の国宝「松本城」も、多くのファンが訪れる場所になっています。
熱心なファンは聖地めぐりだけではおさまりません。日本各地で開催されるコンサートに合わせて、日本の全都道府県を制覇するファンもいるそうです。
上海に在住のリーさんは関ジャニ∞一筋14年、無名の時代からの熱心なファンです。リーさんも日本への留学をきっかけにファンになりました。週末を利用して頻繁に日本に飛んできます。
コンサートのために来日する時は、温泉やご当地グルメなどを堪能するというリーさん。
「われわれは日本のインバウンドにかなり貢献していると思いますよ」と胸を張ります。
リーさんのまわりのファンの多くは、1週間程度の滞在で、交通費、宿泊費、温泉、お土産、グッズなどでトータル2万から3万元(40万から50万円)は使うそうです。それに加えてコンサート代は、転売サービス状況次第で、数万円から十数万円に膨らむことがあります。
特に熱いのがグッズです。日本に4つしかないジャニーズショップには、いつも行列ができています。1枚160円の写真も、中国ファンは数十枚~百枚単位で買っていきます。
コンサートのグッズ売り場も重要です。ショッピングバッグ、うちわ、バッジなど、ここでも数万円を使うことが珍しくありません。コンサート限定のグッズは海外ファンにとっては特に貴重で、朝から並ぶ人が少なくないそうです。
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