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元先生がキャリーケース開発、教え子ツイートで拡散 よしもとも一役

元中学校の教員が開発した「タイヤみたいなキャリーケース」がネット上で話題になっています。

これが「スネイル」
これが「スネイル」 出典: NOVELのホームページより

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 中学校の元教員が開発した「タイヤみたいなキャリーケース」がネット上で話題になっています。キャスターがないため、音も少なく段差にも強いのが特徴で、よしもとクリエイティブ・エージェンシーも企画や宣伝に関わっています。確かに話題になりそうな商品ですが、そのきっかけを作ったのは教え子のツイートでした。

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名前は「スネイル」


 このキャリーケースの名前は「Snail(スネイル)」。日本語に訳すと「カタツムリ」です。サイズは直径55センチ、幅34センチ、容量は38リットルで、来年夏の発売に向けて現在改良を進めています。

 キャスターがなく、ケースの外縁全体がタイヤになっていて回転します。このため、デコボコ道でも簡単に引くことができ、段差部分では持ち上げることなく引いたまま乗り越えることもできるそうです。

 ベアリングを活用してケースの外側だけが回転するようになっているため、中の荷物が回転することもありません。また、ケースの回転を活用した簡易充電システムも付いており、USBでスマホの充電もできます。

 機能面だけでなく、見た目にもこだわっています。側面のカバーは基本は4色展開ですが、オーダーメイドで迷彩柄やドット柄などにもできるようにする予定です。

カラーバリエーションも豊富になる予定
カラーバリエーションも豊富になる予定 出典: NOVELのホームページより

開発したのは元教師


 「うちの学校の倫理の先生 最新丸型キャリーケース作って会社立ち上げてるんだけど、すごくない?? 階段も転がるし、USB式でスマホの充電もできるらしい、、来年発売なんだけどまじで遠征の味方!!!!」

 10月4日、ツイッターに投稿されたつぶやきが次々拡散し、リツイートは3万5千を超えています。これに対して「これ可愛い」「かわいいし、すごく機能的」「ちょっとした段差が多くて歩き疲れちゃうので、この形とても良さげ」といった反応が寄せられています。

 スネイルを開発したのは、株式会社NOVELの代表取締役・立川正昭さん(49)です。

 2013年まで長崎県内で中学校の教員として働いていた立川さん。フリースクールと塾を経営しながら、発明家としても活動してきました。

 趣味の海外旅行で中国へ行ったとき、舗装されていない道路でキャリーケースが思うように動かず苦戦しました。帰りの機内で「キャリーケース自体が回れば解決するんじゃないか」とひらめいたといいます。

 開発を始めたものの、当初は中身も一緒に回転してしまい荷物がぐちゃぐちゃに。そんなとき、元教え子たちにもアイデアを出してもらいベアリングを使うことで解決。試作品づくりにも協力してもらいました。

 そうして2014年に試作品の「HYBRID ROLLER」を発表。それを進化させたのがスネイルです。現在、スネイルは来年夏の発売に向けて改良を続けています。

スネイルと立川正昭さん
スネイルと立川正昭さん

きっかけは教え子のつぶやき


 発売前から話題になったスネイル。ツイッターできっかけを作ったのは、立川さんが週に1回、講師として教壇に立っている高校の生徒、本田璃桜さん(16)です。

 授業で立川さんの経歴やスネイルの開発のことを聞いて「すごい」と思った本田さんは「もっといろんな人に知らせたら、多くの人が興味を持ってくれて先生の会社が盛り上がるかも」と考えたといいます。
 
 まず、バンド追っかけ仲間のフォロワーの間でツイートが広まり、それがコスプレ好きの人たちの間に広まりました。追っかけやコスプレでは長距離の移動にキャリーケースが必需品。「こんなものがあれば便利」という共感から、一気に拡散しました。

 本田さんは「追っかけとかコスプレのクラスターの人たちが求めていたものだったんだと思います。まさかこんなに広まるとは思ってなくて、びっくりしています」と話します。

着せ替えて楽しむことも
着せ替えて楽しむことも 出典: NOVELのホームページより

よしもとも一役買う


 さらにこの商品、よしもとクリエイティブ・エージェンシーも企画や宣伝に関わっています。

 きっかけは「吉本新喜劇で使ってもらったら人気が出るのでは」という教え子の提案でした。「ダメ元で」吉本興業に手紙を送ったところ、よしもとクリエイティブ・エージェンシーが企画や宣伝に関わることになりました。

 よしもとクリエイティブ・エージェンシーの青木充さんは「世の中にまだ同じものがない全く新しいもの。世に出したいと思いました」と振り返ります。

 スネイルの組み立て工場は長崎に設ける予定で「ボーン・イン・長崎」を掲げています。

 立川さんは「教え子たちがいなかったら、ここまで来ることはありえません。意見を言い合える仲間がいるのがうれしい。一人だと行き詰まって、夢で終わってしまっていたと思います」と話します。


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