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自販機に無料レンタル傘、気になる返却率は? ダイドーが地域拡大へ
飲料大手のダイドードリンコが昨年実施した、自動販売機を使った「傘の無料貸し出しサービス」。好評を受けて対象地域が拡大されることになりました。
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飲料大手のダイドードリンコが昨年実施した、自動販売機を使った「傘の無料貸し出しサービス」。好評を受けて対象地域が拡大されることになりました。
飲料大手のダイドードリンコが昨年実施した、自動販売機を使った「傘の無料貸し出しサービス」。好評を受けて対象地域が拡大されることになりました。今回からは環境に配慮して、駅や電車での「忘れもの傘」もリサイクルします。昨年末に大阪市内で試験的に始めた際、「良識に基づき返却いただけると信じております」と話していたダイドーですが、実際の返却率はどうだったのでしょうか? 詳しく聞きました。
自販機を使った傘貸し出しサービスは、飲料補充やメンテナンスを担当する「ダイドービバレッジサービス」のなにわ営業所社員が発案しました。
「自販機を設置している地域の方々に、飲料提供以外でも貢献したい」という理由で、昨年10月から3カ月間、大阪市内の60台に設置しました。
仕組みはシンプルです。自販機の横に設置された「レンタルアンブレラBOX」内の傘を借りたら後日返すというだけで、盗難防止の鍵があるわけでも、買った人だけが使える仕組みになっているわけでもなく、誰でも使ってOKです。
好評を受けてダイドーは、大阪府や京都府、和歌山県など関西エリアの170台に新たに設置することを決めました。
変わったのは地域や台数だけではありません。資源有効活用の観点から、駅や電車での「忘れもの傘」をリサイクルしたものも使います。
これらの傘は近畿日本鉄道が保管していたもので、持ち主が現れずに所有権が移ったものの中から選びました。ダイドーのロゴが入ったタグやステッカーを貼り付けて、レンタル傘全体の約15~20%ほどをリサイクル傘にするそうです。
傘の貸し出しをめぐっては、北海道新幹線の開業に合わせて函館市内で始まったサービスで、多くが返却されていないことが話題になったばかり。試行期間中の返却率はどうだったのでしょうか? 担当者に話を聞きました。
――試行期間中の返却率は
「場所によっては、傘が長期間ゼロになって補充したところもありました。何度か場所を変えるなどしたため、正確な返却率はわかりません。そもそも試行では、『どこに設置するのが効果的か』ということを調べたかったため、返却率ではなく利用率を重視しました」
――試行でわかったことは
「試行では、事業所などの施設内30台、道路沿いなどの屋外30台と、それぞれ半分ずつに設置しました。施設内の方が利用率が高かったので、今回の拡大に関しては施設内7割、屋外3割の比率で設置します」
――場所や地域によって差があったのでしょうか
「繁華街では『利用率は低いけれど、返却率も低い』という傾向がありました。事業所内や商店街に設置された自販機の場合は返却率が高かったです」
――どんな理由が
「繁華街などは観光客の方も多く、再び訪れる機会が少ないといった理由があると考えています。事業所や商店街は常連さんが多いため、返しやすいのだと思います」
――対象地域を拡大することについては
「もともと、『地域の方々に飲料提供以外でも貢献したい』という思いから始めた企画です。使った方から感謝の声が寄せられたり、自販機のオーナーからお褒めの言葉をいただいたりして、拡大することを決めました。リサイクル傘も活用することで、環境にやさしく継続的な取り組みとして、少しずつ進化させながら続けていきたいと考えています」
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