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スラムダンクか! 残り0.9秒からの逆転V 姉を救った妹の一投
まるで漫画のような逆転劇が起こりました。インターハイ出場をかけた山口県高校総体のバスケ女子決勝での話です。
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まるで漫画のような逆転劇が起こりました。インターハイ出場をかけた山口県高校総体のバスケ女子決勝での話です。
まるで漫画のような逆転劇が起こりました。インターハイ出場をかけた5日の山口県高校総体バスケ女子決勝、2点を追う徳山商工に残された時間は0.9秒。ボールを受けた背番号9の選手がハーフライン付近からロングシュートを放つと、見事ゴールに収まって3点が入り、逆転優勝しました。そこには、チームを引っ張ってきた姉と、試合を決めた妹との物語がありました。
誠英と徳山商工の対決となった決勝戦。最終第4クオーターの残り0.9秒で、誠英にフリースロー2本が与えられました。この時、スコアは63対63の同点。誠英がフリースロー2本を決めて65点となり、勝利をつかんだかと思われました。
誠英の選手たちがロングスローを警戒して自陣に戻るなか、エンドラインからのスローインを受けた徳山商工の西田保乃伽さん(2年)は、受け取ってすぐ、ハーフラインあたりからシュートを放ちます。その直後、試合終了のブザーが鳴り響きました。
終了直前に放ったシュートの行方を見守る選手たち。ボールはネットに吸い込まれ、3点がカウントされて66点に。会場は一斉に沸き立ち、勝った選手たちは跳び上がって喜び、抱き合いました。徳山商工の7年ぶり2回目の優勝が決まった瞬間です。
この劇的な映像がツイッターやYouTubeなどに投稿され、「最後まで諦めんかったら奇跡は起こる」「(バスケ漫画の)『スラムダンク』みたい」などと、多くの反響を呼んでいます。
徳山商工の中村浩正コーチはこう話します。
「残り0.9秒でファウルの笛が鳴った瞬間、負けたと思いました。選手には『あきらめるな』と声をかけたんですが……」
誠英のフリースローの直前、残り20秒を切った同点の場面で徳山商工もフリースロー2本を得ましたが、いずれも外しています。
この時に投げたのが、キャプテンの西田美乃里さん(3年)。実は、最後の逆転シュートを決めた保乃伽さんのお姉さんです。
「フリースローを外した瞬間、『やっちゃった』と思いました。ダメダメだった姉を、妹が救ってくれました」と照れくさそうに話す美乃里さん。
これに対して妹の保乃伽さんは、こう話します。
「姉のためとか、そんなこと考える余裕もありませんでした。勝ち越されたときに『負けた』と思いましたが、スローインした選手から『最後、シュート打てるよ』と声をかけられて、狙ったんです」
シュートが決まった瞬間、「入ったように見えたけど本当かな」と疑ったそうですが、周りが喜ぶ姿で実感がわいたそうです。
インターハイに向けて姉妹は、「全員で一丸となって、一つでも多く勝てるように頑張ります」と話しています。
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