感動
ありがとうゴースト! 難病と闘う3歳児、仮面ライダーと交流し変身
難病と闘う3歳児に仮面ライダーゴーストからメッセージが届きました。
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難病と闘う3歳児に仮面ライダーゴーストからメッセージが届きました。
3歳の矢野秀虎(ひでとら)君は、生まれた時から難病と闘っています。定期的に輸血をしないと命を保てません。苦い薬や痛い注射に向き合うとき、「仮面ライダーゴーストになるんだ!」と変身ベルトを着けて勇気を出します。ある日、そんな秀虎君にゴーストからメッセージが届きました。きっかけは、母親がつぶやいたツイッターへの投稿でした。
東京都立小児総合医療センター(府中市)。秀虎君はここの病室にいます。
生まれつき、ダイアモンドブラックファン貧血という難病を抱えています。骨髄の異常で体中に酸素を送る赤血球を作れません。3週間に一度、入院して輸血を受けないと貧血が進み、命の危険があります。入退院を50回以上繰り返し、人生の3分の1を病院で過ごしてきました。完治するには骨髄移植しか道がありません。
今年1月、ドナーが見つかり、移植に向けて無菌室での治療が始まりました。薬の副作用で髪の毛が抜け、高熱が出ました。食べたものを吐いたり、下痢になったり。ベッドにぐったりする日も多くなりました。薬や注射の前には30分以上泣きわめき、なかなか治療に入れないこともありました。
そんな秀虎君に力をくれたのが、ゴーストでした。
ゴーストは昨年10月からテレビ朝日系列で放送が始まった仮面ライダーシリーズ。「眼魂(あいこん)」と呼ばれる15個のアイテムをそろえると願いがかなうというストーリーです。
秀虎君は、病気と闘う自分をゴーストに重ねました。苦手な薬や痛い注射の前に、必ず「ちょっと待ってね」と言って、おもちゃのベルトを装着。母の菜津美さん(36)が手作りしたゴースト柄の上着をまとい、「ゴ、ゴ、ゴ、ゴースト!」。ゴーストに変身して、立ち向かうようになりました。
「狭い病室で友だちもいない息子が頑張る理由がみつからない。自分がゴーストになりたいということが目標になって、もう頑張れないという時の希望になった」と菜津美さんは話します。
移植を終えて約1カ月過ごした2月11日、無菌室を出ることが決まりました。その日の夜、菜津美さんはツイッターに書き込みました。
子どもの病気を友人に話せば心配をかけてしまう。匿名のツイッターなら、誰にも心配をかけず、素直な気持ちを出せました。
このつぶやきを、ゴーストを演じる俳優の西銘駿さん(18)が目にしていました。「ゴーストが子どもに夢や希望を与えられることを実感した。うれしくて涙が出ました」と、西銘さんは当時を振り返ります。
事務所から個人にメッセージを発信することは禁じられていましたが、思わず自分のツイッターに書き込みました。
@natsumaru42
— 西銘 駿 (@shun_nishime) 2016年2月11日
身内にこのツイートを見せてもらい、本当に今まで仮面ライダー、一生懸命やっててよかったなと思いました。
闘病生活辛いと思いますが、辛くなくなるくらいテレビで頑張りますので、これからも応援よろしくお願いします‼️
この二人のやりとりはネット上でも話題になり、テレビ朝日が朝の情報番組で取り上げました。番組スタッフが、西銘さんのビデオメッセージを手に秀虎君の病室を訪れました。
「ひでとらくん! こんにちは。げんき、もらいました」
憧れのヒーローにそう呼びかけられ、秀虎君は少し照れながら母に抱きつき、笑顔を見せました。小さな声で「ゴースト」と呼びかけ、手を振りました。
番組スタッフが病室を出ると、母に「やったあ、やったあー」とうれしそうに繰り返しました。「まるで奇跡。病気に立ち向かう勇気をもらいました」と菜津美さんは言います。
骨髄移植の結果は、まだ分かりません。良い知らせが来ることを祈るようにして待つ日々です。
「いままでのべ68人の方から輸血用の血液をいただいてきました。そんなみなさんから頂いた命。ヒーローになりたいという願いを、かなえてやりたいです」。菜津美さんは、力強く語りました。
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