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体は幼虫、顔は赤ちゃん「ベビーキャタピラ」 可愛さとキモさが共存
一見して虫のようですが、よく見ると顔が赤ちゃんになっている作品「ベビーキャタピラ」とは?
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一見して虫のようですが、よく見ると顔が赤ちゃんになっている作品「ベビーキャタピラ」とは?
アオムシだったり、ミノムシだったり、一見して虫のようですが、よく見ると顔が赤ちゃんになっている作品「ベビーキャタピラ」。かわいらしさと気持ち悪さが同居している点が人気です。作者のHiroRingさんが、「この幼虫、幼かった我が子のムチムチした腕みたいだな~」とイメージを重ね合わせながらつくった作品たち。「私たちから見れば気持ち悪くても、幼虫の親からしたら、かわいい赤ちゃんなんだ」。そんな視点で創作しているHiroRingさんに話を聞きました。
HiroRingさんは、大阪市にある企業でデザインと広報の仕事をしながら、個人で絵画や造形などの作品を発表しています。学生時代に美術を専攻していたわけではなく、プライベートで創作を続けてきたそうです。
アオムシやミノムシ、カブトムシなどの幼虫がベビーキャタピラのモチーフになっています。自身はそれほど虫が好きではないと話すHiroRingさん。5年ほど前のある日、花壇の植物に、黒地に白のまだら模様の幼虫が大量に付いているのに気づきました。
何の幼虫かを友達に聞こうと思い、ブログに写真を載せようとしたものの、気持ち悪くて、そのまま載せることができませんでした。そこでイラストにしようと描き始めたところ、可愛く見せようと顔を人間の赤ちゃんにしてみることに。
「こうして見たら、小さかった我が子のムチムチした腕にそっくり。私たちから見れば気持ち悪くても、幼虫の親からしたら、かわいい赤ちゃんなんだ」。そう思うと、親近感がわきました。
その後、いろいろな幼虫をモチーフに作品を発表すると、「カワイイ」「見るのも嫌だ」「ミノムシはいいけど、カブトムシはダメ」と、賛否さまざまな意見が寄せられました。
「つくる側としては賛否ある作品の方がうれしいです。だから、可愛さと気持ち悪さが共存するものをつくっているんだと思います」
ベビーキャタピラ以外にも、賛否が分かれる作品として「ぬらりんぼ」というシリーズがあります。ピンクに塗られた石に、大きな目や分厚い唇が描かれ、長いつけまつげ。手も足もなく顔だけの不思議な作品です。
東日本大震災の直後、「作品づくりなんかしていて、いいんだろうか」と創作意欲をなくした時期に生まれました。もともとイラストとしてあったものを石に描いてみたら、ペットのように可愛がってくれる人が増えていったそうです。
「触りたいような触りたくないようなベビーキャタピラとぬらりんぼ。アート作品というよりは新触感のマスコットとして、また平和な癒やしのアイテムとして、身近に遊んでもらえるとうれしいです」とHiroRingさんは話します。
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