IT・科学
45年前の「未来予想図」けっこう的中 マイナンバーにネット通販
文科省による未来に実現する時期を予測する調査「科学技術予測調査」。第1回の調査があった45年前に予測され、実際に実現された技術がけっこうありました。
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文科省による未来に実現する時期を予測する調査「科学技術予測調査」。第1回の調査があった45年前に予測され、実際に実現された技術がけっこうありました。
文部科学省による未来に実現する時期を予測する「科学技術予測調査」。4千人の科学者の回答をもとに5年ごとに発表されており、現在は10回目まで公開されています。実は第1回の調査があった45年前、すでにマイナンバー制度や、楽天・アマゾンのようなネット通販サービスの実現が予測されていました。
「科学技術予測調査」は、これまでに10回、発表されています。第1回は、今から45年前の1971年でした。
当時すでに、現在使われている技術の実現が予測されていました。
2016年1月から使われはじめたマイナンバー(社会保障・税番号)制度を連想させる「徴税事務が一本化され、総合徴税システムが確立」は1971年調査で、社会的に実現するのが1984年と予測されていました。
「テレビ電話、テレックスなどの開発で在宅のまま買い物ができる」は、1987年の予測です。実際には、三木谷浩史氏が1997年2月にエム・ディー・エム(現楽天)を設立しています。アマゾンは2000年11月に日本に進出しました。
2015年調査では、「サッカーなどのスポーツで人間の代わりに審判をする人工知能」(2022年)、「胎児の成育を可能にする人工子宮」(2040年)などが予測されています。
実現できていない技術もあります。その筆頭が地震の予知です。1971年の調査では「1カ月程度以内の地震(M6以上)発生の有無を府県程度の範囲で予知」が技術的に実現するのは1996年としていましたが、先送りを繰り返してきました。
2015年調査では「M7以上の地震の発生時期(1年以内)、規模、地域の予測」とハードルを下げたうえで、実現は2030年になっています。
調査方法は少し変わっています。専門家の意見や議論をもとに選んだ項目について、実現時期や重要度、実現可能性などを、さらに多くの専門家にアンケートで尋ね、回答をまとめたものを示して再び答えてもらっています。
何度も繰り返してアンケートをすることで、専門家たちの平均的な見解に近づけています。1970~80年代は、他社や他業種の開発動向を探るため、幅広い分野の予測がチェックされていたそうです。
最新の2015年調査は、日本の強みを探る視点でも分析されました。国際的に弱い情報技術を、得意とするモノ作りと組み合わせれば、医療や福祉、産業の分野で主導権を発揮する狙いもあるようです。
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