エンタメ
「ももクロ」支えるスゴ腕の振付け師 欠点こそ、伸ばせば個性に
「ももいろクローバーZ」の魅力の一つであるダンス。メンバーの欠点を個性に引き上げた振付け師の存在がありました。
エンタメ
「ももいろクローバーZ」の魅力の一つであるダンス。メンバーの欠点を個性に引き上げた振付け師の存在がありました。
人気アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の魅力の一つがダンスです。激しい動きや、奇抜な振り付けでファンを引きつけています。アイドルとして新境地を開いた「ももクロ」のダンス。そこには、メンバーの欠点を個性に引き上げた振付け師の存在がありました。
2010年にメジャーデビューした「ももクロ」は、2012年には西武ドームで単独公演を実施。3万7千人を集めます。2014年に成功させた日産スタジアムのライブでは、2日間で12万人を動員しました。2015年2月には主演映画「幕が上がる」も公開されています。
AKB48グループと並ぶ、日本を代表するアイドル「ももクロ」。次々と夢を実現させていく姿と、がむしゃらなライブでのパフォーマンスが多くの人の心をとらえています。
そんな「ももクロ」の魅力がダンスです。小柄な少女たちが繰り広げるダンスは激しく、アクロバチックで、従来のアイドルにはない舞台を繰り広げます。
ライブには子ども連れや女性グループが多いのも特徴です。歌人の加藤千恵さんは、2012年8月にあった西武ドーム公演を見た際、次のような感想を述べていました。
「いわゆるアイドルとは別物として好きになった。ステージ上で全力でパフォーマンスする姿が、本当にキラキラしている。せつなの輝きのようで切なく、胸をしめつけられ、目を離せなくなる」
そんな「ももクロ」のダンスの振り付けを担当しているのが、振付師・石川ゆみさんです。
プロダンサーでもあった石川さん。メンバーそれぞれが持っていた踊りの「くせ」は、ダンスとしては欠点に見えたそうです。
高城れにの激しいダンス、後に「エビぞり」で注目される百田夏菜子の特技のアクロバットも、統一感が重要なダンスでは「欠点」になってしまう。しかし、マネジャーの川上アキラさん(現プロデューサー)からは「欠点も個性。生かしてほしい」と求められました。
「葛藤はあったけど、そこから新しいものが見えるかもしれないと思って取り組みました」
結果、生まれたのが「ももクロ」の代表曲「行くぜっ!怪盗少女」です。百田がアクロバットで「エビぞり」を決め、玉井詩織と有安杏果が側転、佐々木彩夏がバレエのターンを繰り返します。
「おもちゃ箱をひっくり返したような曲」をまとめるのに苦心した石川さんでしたが、観客からは絶賛されました。
「欠点も、視点を変えて伸ばせば、長所としての個性になる。楽曲やアーティストの個性を引き出すのが振付師の役割と再認識しました」
「労働讃歌」ではメンバーらが米俵をかつぐようにアップダウンします。「天手力男」ではレゲエのイメージを取り入れました。
奇抜な表現が楽曲の印象を高め、ネット上で公開されている公式動画の中には再生回数が400万回を超えるものもあります。
激しく奇抜なダンスには、メンバーの個性が反映されているからこそ、ファンは「ももクロ」のステージに熱狂してしまう。「ももクロ」人気の礎を築いた1人である石川さんは、今もメンバーには「心で踊りなさい」と厳しく指導しています。
「今後も愛のあるダメ出しを続けたい」
1/15枚