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首相も座った?官邸の便器 TOTOの博物館、「歴史の証人」が続々

TOTO(北九州市)がつくった博物館で、旧総理大臣官邸の便器など「歴史の証人」が展示されています

TOTOミュージアムで展示される「旧総理大臣官邸の便器」
TOTOミュージアムで展示される「旧総理大臣官邸の便器」 出典: 朝日新聞

目次


 「TOTOミュージアム」が先月28日、北九州市にオープンしました。館内には会社の歴史を振り返る商品だけでなく、旧総理大臣官邸に設置されていた便器や、昨年になって都内に現存していることがわかった、1964年の東京五輪に合わせて開発された「初代ユニットバス」なども展示されています。日本のトイレの歴史を振り返る品々は、「歴史の証人」でもあります。

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官邸、国会、霞が関ビル……


 館内に並ぶ展示品は約950点。1917年に東洋陶器として設立されたころは、陶器できた水洗便器は日本ではなじみがなく、売れ行きが伸びなかったため、皿やコーヒーカップなども生産していたそうです。そうした製品も展示されていますが、やはりメインは歴史的な便器の数々。代表的なものは以下の通りです(TOTOの説明文より)。

【旧総理大臣官邸の便器】

 展示品は、旧総理大臣官邸に設置されていたものです。日本で最初に開発されたサイホンゼット便器は、昭和初期の賓客が使用する著名な建築物に多く採用されました。旧官邸には、TOTOの大便器、洗面器だけでなく、外国製の鋳物ホーローバスやシャワー水栓などの最高級品が数多く採用されました
TOTOの説明文より
旧総理大臣官邸の便器
旧総理大臣官邸の便器 出典: 朝日新聞


【国会議事堂の便器の説明文】

 1936年に竣工した帝国議会議事堂(現:国会議事堂)は、すべてを国産品で建設するという趣旨のもと、材料・生産技術ともに厳しい基準が適用されました。衛生陶器にも国産品かつ最高級品が要求される中で、施設内の大半にTOTOの商品が採用され、他社を圧倒しました。腰掛式サイホンゼットの高級便器など、その数は6品種498個にのぼります。展示品の壁掛式洗面器は、国会議事堂専用に特別に製作されたものです
TOTOの説明文より
国会議事堂の便器
国会議事堂の便器 出典: TOTO提供


【霞が関ビルディングの便器の説明文】

 霞が関ビルディングは、1968年当時、日本一の高さを誇った超高層ビルでした。採用された壁付サニタリーユニットは、配管ユニットと衛生器具や仕上げ材を組み合わせたもので、当時の先進的な技術を駆使して完成しました。このサニタリーのユニット化によって、オフィスビルでの水まわり設備の標準化が進み、工期短縮と機能の向上が図られました。展示品は、当時、霞が関ビルディングに設置されていた大便器ユニットです
TOTOの説明文より
霞が関ビルディングの便器
霞が関ビルディングの便器 出典: TOTO提供

話題になった初代ユニットバスも


 他にも、連合国軍総司令部(GHQ)の本部が置かれた「旧第一生命館」で使われた便器と洗面器や、「迎賓館赤坂離宮」の便器など、「歴史の証人」と呼べる数々の品々が並んでいます。

 昨今話題となっている東京五輪に関する製品も。1964年の東京オリンピックに合わせて開発された初代ユニットバスです。昨年、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)で見つかり、TOTOにも残っていない「貴重品」だと話題になったものです。

 1964年10月の五輪開幕に間に合わせるため、ニューオータニは1年5カ月という短い工期で建てられました。客室は1000室以上。当時は客室の浴室を一つつくるのに1カ月以上かかったそうで、これを大幅に短縮しなければ、五輪の開幕には間に合いませんでした。そこで軽量のFRPを採用し、工場で作って建設現場に運ぶ「プレハブ化」を実現。ユニットバスの据え付け作業を、わずか3カ月半で成し遂げたのです。

これが初代ユニットバス
これが初代ユニットバス 出典: 朝日新聞


 開館1年での入場者は2万人を見込んでいますが、最初の3日間で4000人が来場。滑り出しは上々のようです。TOTOでは「水まわりの文化や歴史とともに、TOTOのものづくりへの想い、製品の進化などについて触れて頂きたいです」と話しています。

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