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首相も座った?官邸の便器 TOTOの博物館、「歴史の証人」が続々
TOTO(北九州市)がつくった博物館で、旧総理大臣官邸の便器など「歴史の証人」が展示されています
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TOTO(北九州市)がつくった博物館で、旧総理大臣官邸の便器など「歴史の証人」が展示されています
若松 真平 withnews編集部
共同編集記者
「TOTOミュージアム」が先月28日、北九州市にオープンしました。館内には会社の歴史を振り返る商品だけでなく、旧総理大臣官邸に設置されていた便器や、昨年になって都内に現存していることがわかった、1964年の東京五輪に合わせて開発された「初代ユニットバス」なども展示されています。日本のトイレの歴史を振り返る品々は、「歴史の証人」でもあります。
館内に並ぶ展示品は約950点。1917年に東洋陶器として設立されたころは、陶器できた水洗便器は日本ではなじみがなく、売れ行きが伸びなかったため、皿やコーヒーカップなども生産していたそうです。そうした製品も展示されていますが、やはりメインは歴史的な便器の数々。代表的なものは以下の通りです(TOTOの説明文より)。
【旧総理大臣官邸の便器】
【国会議事堂の便器の説明文】
【霞が関ビルディングの便器の説明文】
他にも、連合国軍総司令部(GHQ)の本部が置かれた「旧第一生命館」で使われた便器と洗面器や、「迎賓館赤坂離宮」の便器など、「歴史の証人」と呼べる数々の品々が並んでいます。
昨今話題となっている東京五輪に関する製品も。1964年の東京オリンピックに合わせて開発された初代ユニットバスです。昨年、ホテルニューオータニ(東京都千代田区)で見つかり、TOTOにも残っていない「貴重品」だと話題になったものです。
1964年10月の五輪開幕に間に合わせるため、ニューオータニは1年5カ月という短い工期で建てられました。客室は1000室以上。当時は客室の浴室を一つつくるのに1カ月以上かかったそうで、これを大幅に短縮しなければ、五輪の開幕には間に合いませんでした。そこで軽量のFRPを採用し、工場で作って建設現場に運ぶ「プレハブ化」を実現。ユニットバスの据え付け作業を、わずか3カ月半で成し遂げたのです。
開館1年での入場者は2万人を見込んでいますが、最初の3日間で4000人が来場。滑り出しは上々のようです。TOTOでは「水まわりの文化や歴史とともに、TOTOのものづくりへの想い、製品の進化などについて触れて頂きたいです」と話しています。
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