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3兄弟とも灘→東大理Ⅲ 「プロママ」が伝授する東大合格への7カ条
3兄弟とも灘中・高から東大理Ⅲに合格した奈良県の専業主婦の子育て術が話題に。徹底して子どもをサポートする「プロママ」の7カ条とは?
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3兄弟とも灘中・高から東大理Ⅲに合格した奈良県の専業主婦の子育て術が話題に。徹底して子どもをサポートする「プロママ」の7カ条とは?
奈良県に住む専業主婦・佐藤亮子さんの子育て術が今、話題となっています。なんと23歳の長男を先頭に次男、三男の3兄弟全員が、難関私学の灘中・高等学校(神戸市)から東京大学理科Ⅲ類(医学部)に合格。昨年、週刊誌に取り上げられると学習塾の講演会などに引っ張りだこで、受験業界では時の人になりました。これまで「灘→東大理Ⅲの3兄弟を育てた母が教える秀才の育て方」(KADOKAWA) 、「受験は母親が9割」(朝日新聞出版)と2冊の受験本を出版。その合格メソッドとは―。
佐藤さんは津田塾大学(東京)を卒業後、私立高校で2年間の英語教師を経て夫の勤務先である奈良県に。3兄弟は県内の公立小学校から中学受験をしました。灘のほか、長男は東大寺学園(奈良)や洛南(京都)など関西の難関中学、次男(22)は中学受験最高峰の開成(東京)や鹿児島県のラ・サール、三男(20)も東大寺などに合格しています。8月下旬に東京都内で開かれた講演会で佐藤さんは、中学受験について「徹底的に関わることが大事」。大学受験は「志望校は早めに決める。何となくでは絶対合格しない」と熱弁。未就学児から高校生の子どもを持つ約180人が参加し、真剣にメモを取っていました。
講演会後は著書のサイン会に長蛇の列が出来た佐藤さん。同じく灘中・高校から東大理Ⅲへ進んだ精神科医・和田秀樹さん(55)は「子どもたちに愛情を注ぎ、子育てでやれる限りのことをしている。過保護だと言われてもぶれない」と評価。そんな「プロママ」ぶりが詰まった最新刊から東大合格に導く母親の心構えを紹介します。
受験勉強への母親の関わり方について佐藤さんは「完璧にサポートする」と言い切ります。中学受験では、ノートを作ったり採点をしたりするほか、分からない部分は壁に貼るなど徹底的に子どもたちに付き添ったそうです。「過保護だ」「そこまでするの」という指摘には、「そこまでもどこまでも、通るまでするに決まってる。受験って通ってナンボ」とバッサリ切り捨てました。
佐藤さんには、3兄弟のほか高校2年生の長女(17)がいます。「小さい時は4人とにかく平等に接した」と振り返る佐藤さん。講演会では、果物の梨が4つあった時に「梨によって甘さが違ったらいけない」とそれぞれ4等分して4人に分けたというエピソードを披露しました。
佐藤さん一家が住む2階建て住宅には子ども部屋がなく、勉強机が1階のリビングにあります。リビングにはテレビもありません。これは、家庭学習について「目の届く範囲に子どもがいるような環境がいい」と佐藤さんの教員生活の経験に基づくものです。勉強以外の面でも、子どもの様子の変化をすぐに気づくことができ、コミュニケーションが絶えることはなかったようです。
講演会では、中学受験を考えている父親からスケジュール管理についての質問がありました。佐藤さんは「全部管理した方がいい。宿題があったら一日に何ページ、何問やるかまで。『頑張れ』というあいまいな言葉では絶対に勉強しない」と断言。逆に予定より勉強しすぎることも続かないと指摘し、1週間分のスケジュールをノートに書き出すことの大切さを語りました。
受験は、子どもひとりが孤独に頑張るものではないと考える佐藤さん。長男の中学受験以降は毎年誰かが受験で、盆も正月もありません。受験が終わった春休みには近場の温泉などに家族で旅行をするそうですが、翌年は誰かの受験が控えていることから、2泊が精いっぱいなのだそうです。
受験する大学が自宅から遠い場合、受験のためのホテルの予約は、親の仕事と佐藤さんは考えます。子どもを勉強に集中させるため、講演会では入学願書についても「時間を取らせるのはムダ」と親が見本を作った方がいいとアドバイスをしました。
「そこまでするの!?」というくらいに子どもたちをフォローしてきた佐藤さん。東大2次試験はその集大成です。最後まで見届けるのが責任と宿泊先の東京ドームホテルから、東大の門まで毎回3兄弟に同行したそうです。
東大合格への7カ条、いかがだったでしょうか。著書では具体的な受験テクニックなども掲載されています。長女も難関大学を目指しているということで、講演会後の佐藤さんは「奈良に戻ったら、夏休みの宿題を見てあげないといけない」とプロママの顔になっていました。
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