お金と仕事
ハッピーターン、「魔法の粉」が売り上げ左右 7日に6年ぶり改良
「ハッピーターン」がリニューアルされます。実はこの商品、粉に関わる改良をする度に売り上げを伸ばしてきた実績があるのです
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「ハッピーターン」がリニューアルされます。実はこの商品、粉に関わる改良をする度に売り上げを伸ばしてきた実績があるのです
来年で発売40周年を迎える「ハッピーターン」。柿の種と並んで亀田製菓を代表する商品ですが、今月7日に6年ぶりにリニューアルされます。今回は人気の生命線である「魔法の粉」こと「ハッピーパウダー」に関する部分を改良。実はこのハッピーターン、粉に関わる改良をする度に売り上げを伸ばしてきた実績があるのです。
ハッピーターンが発売されたのは1976年。日本が第1次オイルショックで不景気に沈んでいたころ、買った客に幸せ(ハッピー)が戻ってくる(ターン)ようにと命名されました。
せんべいといえばしょうゆ味だったころ、洋風で甘いお菓子のような粉の味が新ジャンルを切り開きます。粉の味を生かすために個包装し、生地の表面をデコボコにして粉落ちを少なくするなど、改良を重ねて今に至ります。
2012年には、大阪市の阪急うめだ本店に初のコンセプトショップ「HAPPY Turn's」を出店し、限定商品を展開。その後、福岡市や横浜市の百貨店にも出店しています。
他にも、社員食堂で時々、ハッピーパウダーを使った「スペイン風オムレツ」や「サケのハッピーターン衣焼き」といった料理を出すなど、社内外で盛り上げようと取り組んでいます。
そうはいっても、人気の秘密はやはり「ハッピーパウダー」。2004年度の売上高を100とした場合、前回の2009年の改良が反映された2010年度までの売り上げの変遷は以下の通りです。
・2004年度 100
・2005年度 112
・2006年度 106
・2007年度 116
・2008年度 126
・2009年度 149
・2010年度 197
売り上げを伸ばし続けた背景にあるのは、ハッピーパウダーの改良です。2005年にはせんべいに「パウダーポケット」を設置。生地に溝をつけて粉が落ちるのを防ぎました。
2007年にはパウダーポケットに加えて「でこぼこゾーン」を追加。ポケットとは別に表面に凹凸をつけて、さらに粉をキャッチするようにしました。そして2009年には、生地の幅を広くすることでパウダーポケットの数を増やしました。
2009年度と2010年度は特に上がり幅が大きくなっています。2009年には粉だけ200%増量した商品を、2010年には250%増量した商品をコンビニ限定で出したことが主な理由です。まさに、粉の量を増やす度に売り上げを伸ばしてきたのです。
今回の改良ではパウダーポケットの溝をさらに大きくしてより多くの粉をキャッチできるようにし、粉自体も原料の粒度を変えることで、甘さとしょっぱさにメリハリを出したといいます。
まさに生命線のハッピーパウダー。その原料について同社経営企画部に尋ねると、あっさり答えてくれました。
「植物由来のたんぱく加水分解物、うまみ成分のアミノ酸、砂糖、塩を調合したものです」
企業秘密を明かすのは、同じ材料を集めて調合しても、味を再現されない自信があるから。たんぱく加水分解物は特注品で、砂糖や塩は何種類もブレンド。粒の大きさが異なる調味料を組み合わせて、一口で全部が溶けることなく味わえるようになっているのです。
亀田製菓の担当者は「今回のリニューアルで、ハッピーターンのファンの方はもちろん、しばらく食べていない、という方にも『また食べてみたい!』といった気持ちにさせる内容に仕上げました。おいしさの秘密であるハッピーパウダーを軸に、これからもたくさんの方々にハッピーを届けられるよう努めていきます」と話します。
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