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天津爆発「神経ガス検出」と現地報道 皮膚から吸収、少量でも窒息死
中国・天津市の爆発事故で現場から「神経ガス」が検出されたと地元テレビが報じました。「地下鉄サリン事件」で使われたことでも知られています。
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中国・天津市の爆発事故で現場から「神経ガス」が検出されたと地元テレビが報じました。「地下鉄サリン事件」で使われたことでも知られています。
中国・天津市の爆発事故で現場から「神経ガス」が検出されたと地元テレビが報じました。もともと第二次世界大戦中に兵器として開発された歴史をもつ「神経ガス」。日本では20年前の1995年3月に起きた「地下鉄サリン事件」でばらまかれたことでも知られています。「神経ガス」の恐ろしさとは?
第2次大戦中にドイツが殺虫剤の研究から開発したタブンなどが最初の神経ガスといわれています。その後、米国、イギリス、スウェーデンもより少量で致死量に達するものを開発。運動に関係した酵素が働かなくなり、呼吸筋のまひなど症状を引き起こすことで、窒息死させます。
神経ガスを含む化学兵器としては、「サリン」や「VXガス」などが知られています。
サリン:神経に作用する。無色無臭で気化しやすい。青酸カリの数十倍の毒性がある。
VX:神経ガス。皮膚などから吸収され、サリンと同等以上の毒性をもつ。
イペリット:カラシ臭があり、マスタードガスとも呼ばれる。皮膚にやけどのような症状を起こす。吸い込むと肺や気管がただれ、死亡する。
1994年6月、長野県松本市でオウム真理教による「松本サリン事件」が起きました。8人が死亡、約600人が重軽症となりました。神経ガスを使って市民を無差別に襲ったテロは世界で初めてとされています。
翌年の1995年3月には「地下鉄サリン事件」が発生します。東京・霞ケ関駅を通る地下鉄日比谷線、千代田線、丸ノ内線の計5本の車内で、オウム真理教の幹部らがサリンを散布。13人が死亡し、6千人以上が重軽傷を負いました。関与した教団元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚ら10人の死刑と4人の無期懲役が確定しています。
内戦が続くシリアでは、神経ガスなど化学兵器の使用をめぐって国際問題に発展しています。2013年8月には、、国際NGO「国境なき医師団」(MSF)が、同組織が医療援助をしているダマスカス県の三つの病院で、神経ガスの症状を示す患者を、21日午前中の3時間で約3600人受け入れたと発表しました。355人は死亡したとされています。
神経ガスについて、反体制側はアサド政権の関与を指摘していますが、政権側は使用を否定しています。
2015年8月8日、国連安全保障理事会は、シリアで化学兵器の使用者を特定する調査機関の設置決議を全会一致で採択しました。決議の作成は、化学兵器使用の責任追及を求める米国が主導して調整にあたり、親アサド政権のロシアも賛成しています。
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